2017/09/29 に公開
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松永直幸・鈴木愛結(アイドル横丁)、菊竹龍(TIF)、橋元恵一(@JAM)、2017年夏のアイドルフェス・イベントを語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.8レポート【前編】
【大型夏アイドルイベント・フェス責任者が、お互いとの、そしてシーン外とのコラボを語る】
濱田: 今回お越し頂いた、3つの大型夏アイドルイベント・フェスでは、それぞれ同士で色々とコラボされていましたね。
松永:アイドル横丁は、TIFさんとは昨年からTOKYO GRAVURE IDOL FESTIVAL(TGIF)、TOKYO IDOL縁日でご一緒させていただいています。アイドルイベント同士で組むと、お互いがどうカラーを出すのかっていうのがテーマになってくるとは思うんですけど、去年より良い成果をあげられる事ができました。
菊竹:こちらも昨年に続いて2回目の開催になるので、きちんと昨年の反省を生かして、課題だったインフラの改善を最優先しました(笑)。キャスティングに関しては松永さんに大いに助けて頂き、そういう相互にできるところで協力しあえたのがすごくありがたかったです。
橋元:うちでもやりたいなと思いましたが(笑)、屋内イベントなもので(笑)。
松永:どこでできそうかな?っていうのを頭に入れながら、@JAM EXPOさんでは横浜アリーナをうろうろしていました(笑)。
鈴木:それと、横丁夏まつりとTIFさんでは、浦TIF(元風男塾・浦えりか主催企画)がありました。浦ちゃんが元々アイドルファンで今後ブレイクしそうっていうアイドルグループとかをチェックしていましたし、風男塾さんが好きなアイドルって多くて。風男塾さんとの絡みだとファンも納得してくれます(笑)。
菊竹:浦TIFについては、2016年はTOKYO IDOL LIVEの1企画でアイドル横丁さんにご協力いただいていまして、2017年は横丁夏まつりさんのほうでステージをいただける事になり、本当にありがとうございます。
鈴木:アイドル卒業ってなったあとも、さらにアイドルの現場で仕事ができるような、そういうイベントとか企画をあちこちでやって欲しいなって思いますね。そこに居たときのファンも嬉しいだろうですし。相互でそういう企画はやっていきたいなと思います。
菊竹:TIFと@JAM EXPOさんでは、新しい事を作るっていうのを目標に動いているので、来年もNewYear Premium Party(通称:NPP。@JAMとTOKYO IDOL PROJECTの共催イベント)ができる、という発表ができて良かったです。
橋元: 過去2年ぐらい話をして、なかなか話が進まないっていう事もありましたよね(笑)。
菊竹:お互いNPPのプロジェクトで走り出そうってなったときに、TIF準備真っ只中で。それが終わってやろうと思ったら今度は@JAM EXPOさんが佳境でなかなか進まないというのもありましたよね。
アイドル業界の方々から、年末や来年の頭に別のアイドルライブを考えているっていう話を聞いているので、アイドルシーンにとって冬もひとつ山場が作れればいいなって思っています。僕らも頑張ります。
濱田:サクラノユメ。(@JAM EXPO 2017ナビゲーター)はそれぞれを横断でコラボされていますよね。
橋元:イベント運営の方なら分かると思いますが、出演者の方はいろんなイベントの告知をしてくれるのですが、僕は@JAM EXPOだけを告知してくれるグループを作りたくて。それが、今年はサクラノユメ。でした。
2014年にユフマリ(寺嶋由芙とDorothy Little Happyの高橋麻里によるユニット)ってグループを作ってから今年で4年目です。毎回コンテンツとして続けてこれているのは関係の事務所さんにありがたいなって思いますし、こういうのを面白がって出そうよと言ってくれるも横丁夏まつりさん、TIFさんに感謝しています。特に、横丁夏まつりさんとは今までそういう関わり方がなかった中で、お願いしたら松永さんにいいよって言っていただけました。
松永:サクラノユメ。に関しては、構成メンバーの所属アイドルグループが横丁夏まつりに既に出演発表がされていたので、橋元さんのほうでコントロールできる話しであればぜひどうぞ、という感じでした。
特典会のところで、本体のグループが特典会やライブをやっている中で、サクラノユメ。としての特典会をどう合間をぬってというのが課題でしたが何とか組めたのでよかったなと思っています。
橋元:実は、まさかの@JAM EXPOでタイムテーブルを組めない事があったんです。コラボとタイムテーブルを他の違う人が作っていて(笑)。
濱田:(笑)。こういった事務所をまたいだ作業って結構大変だと思うんですが?
橋元:グループとしては一つの宣伝になりますし、そこが大きいところだとは思います。必ずしもメインの子達ではありませんし、そういうコラボ企画に参加できるのが彼女たちのモチベーションに繋がると考えると、互いのメリットになるのかなと思っています。
濱田:なるほど。また、3つの大型夏アイドルイベント・フェスはそれぞれ、シーン外部とのコラボもよく目立っていました。
横丁夏まつりさんは今年から制作委員会方式を入れられて、様々な企業とコラボなさってましたね。
松永:制作委員会はリスク分散っていうところもありますし、一緒に関わってくださる方が多くなればなるほど別の角度から意見をもらえたり、口コミによってこういうイベントがあるよっていう認知に繋がるなど、色んな協力者の方々から発信されるっていう、大きな利点が2つありますね。
(松永直幸氏(アイドル横丁))
濱田:制作委員会の導入ってなかなか難しいと思うんですよ。”ためらい”はなかったんでしょうか?
松永:お金を持っていれば制作委員会に入れるというわけではなく、われわれのイベントに理解があり、「一緒にやりたい」「一緒に大きくしたい」と言ってくださった方々なので組んでよかったです。
橋元:ウチも実は制作委員会方式ですよ。
濱田:そうですよね。でも、あまり制作委員会を入れているようには見えませんが(笑)。
橋元:僕しか出てこないですからね(笑)。
濱田:なるほど(笑)。このように上手くいっている事例が2つもあるなら、アイドル界隈でも制作委員会的な取り組みが今後増えてくるかもしれませんね。
TIFでは、予選を通じたイベント共催をしていましたね。
菊竹:そもそもは日本全国を周って良いアイドルを探し、日本全国で頑張っている子達を1組でもフックアップできたらなっていう思いで始めたのがキッカケで。マスへの展開がわからないアイドルさんにテレビとかでスポットライトを当ててあげたいなっていう企画したきっかけでした。
このコンセプトに賛同してくれて、企画を盛り上げようとしてくれるパートナーを探したときに、今回ニッポン放送さん、SHOWROOMさんと組む形になりました。今年1月ぐらいにスタートして、全国で予選を開催しました。
(菊竹龍氏(TOKYO IDOL PROJECT))
濱田:そのおかげで、TIFに出れるっていうチャンスが広がったものね。
そして、今年の@JAM EXPOさんは、外部との連携がすごく目立っていました。
橋元:音霊さんをはじめ、テレビ朝日さんやテレビ東京さんとコラボしたり、@JAM以外のところで協力してくれる人が増えたらなというので、今年の夏はそういう取り組みをしました。
(橋元恵一氏(@JAM))
濱田:意図的にコラボを増やされたのでしょうか?
橋元:プロモーションしたいっていう理屈では増やしました。
テレビ朝日さんがこちらのお願い以上に頑張って頂けました。アイドルお宝くじなのに、「@JAMと~」みたいな事を毎回オンエアで出してくれたりもして(笑)。一緒にキャスティングなどもして、プロモーションしてというところで言うと、一定の成功は見たのかなと思います。
濱田:なるほど。みなさん、他、何か取り組まれて、これは良かったなというのはありますか?
鈴木:クラウドファンディングは良かったと思います。お金を募って、モノを作って、お金を出した人は事前に見れて、横丁夏まつり当日には一般にお披露目して。より多くの人が関わっていたっていうのもサイトに載ったりもして良かったのかなって思います。
(鈴木愛結氏(アイドル横丁))
濱田:クラウドファンディングは、アイドルイベントで上手くいったケースがなかなかないように思っていましたが、横丁夏まつりさんはうまく活用されてましたね。
菊竹:実はTIFでもクラウドファウンディングは考えていて、お客さんを巻き込んで一緒に花火を打ち上げようと思っていたんです。でも、打ち上げの許可関係や、実際に花火の作成スケジュールを逆算すると調整が間に合わないので諦めました(笑)。
橋元:@JAM EXPOは検討した事はないんですけど、会場費とか払ってもらえたら(笑)。
濱田:わかります。そういう事、思いますよね(笑)。シーン外部と協業すると、お金だけでなくパブや知見など得られるものがまだまだ多いのかなと思います。
ところで、3つのイベントのキャスティングは個性がよく出ていると思いますが、皆さん他のフェスのキャスティングを見てどう思いますでしょうか。
松永:TIFさんを見ていると、「日本一のアイドルイベントにこういう人が出て欲しいな」っていう理想がそのまま今年は出ていたっていう素直な印象でした。世界って考えても一番のアイドルイベントでしたし、貫禄だなと(笑)。東京女子流さんのTIF出演のタイミングなどもすごく良かったですよね。
@JAM EXPOさんも、私立恵比寿中学さんも48グループさんも含めてきっちりとメジャーどころが出ているっていう点で、横丁夏まつりからするととても勉強になりました。そこにTIFさんとは違う橋元さんのカラーもありますし。僕もDorothy Little Happy企画には驚きました。
菊竹:改めてですが、@JAM EXPOさんのDorothy Little Happy企画はやっぱりすごいなと思いました。これはキャスティングのレベルじゃない圧巻のものだったと思います。
横丁夏まつりさんに関しては松永さんと鈴木さんのキャスティングセンスが素晴らしいと思います。毎月やっているTOKYO IDOL LIVEはアイドル横丁さんチームと組んで運営しているので、そこでも僕自身も勉強しつつ、@JAMさん横丁さん両者から良いところをいっぱい吸収したいなと思います。
橋元:アイドル横丁さんは2011年の渋谷公会堂、2012年伝説の渋谷AXのライブ含めて、@JAMがこういうイベントをやりたいという事を先にやっていて尊敬しているというか、すごく刺激になっているイベントでした。今年の赤レンガになって、大がかりな目玉グループを出演させなくても「横丁夏まつりが好きだ」というファンが集まるという空気感がすごく好きですし。新しいグループを発見する場所というイメージがついているのがすごいなと思います。
TIFさんは、坂道グループさん48グループさんの中で、結果NMB48以外は全部出演するという、全方位って感じが「参った」というしかなかったです。そうなる事がわかっていたので、違うイベントの進み方にしようと考えましたし(笑)。とにかくTIFさんは本当に世界一のアイドルイベントなんだなと思いました。
濱田:逆に、各イベント自身は、キャスティングについて満足度はいかがでしたでしょうか。
菊竹:90%ぐらいは思い描いていた形になりました。ただ、アイドルイベントは事務所さんが出てくれるからこそ成り立っているので、事務所さんにとって、TIFに出る事がメリットと感じてもらえるようなフェスにしなきゃと意識しています。
鈴木:横丁夏まつり自体は誰が出たか~っていうのを目指して作っていなかった部分はあると思います。出てくださる皆さんが見つかるようなイベントになればいいかなっていうところでいうと、新たな層も取り組めたので。あまりこだわっていませんが、満足度は100%ですかね(笑)。
橋元:僕は90%ぐらいですかね。Dorothy Little Happy企画が結果できて良かったですし。メジャーアイドルにも出ていただきたくてぎりぎりまで交渉したりもしていました。予期せぬ事でキャスティングが変わった事などの部分はありましたが、ほぼほぼ自分で声をかけていったので満足しています。
濱田:今年、ネット等でも、各イベントのキャスティングのクオリティが高かったという声があがりましたが、その評価は各総合Pの自負と力量に裏付けられているのだなと思います。
【大型夏アイドルイベント・フェス責任者、今後を語る】
濱田:さて、2018年もそれぞれ開催される事になると、僕は思っていますが(笑)、3つの大型夏アイドルイベント・フェスは今後それぞれどうなっていくのでしょうか。まずは時期についてはどうでしょうか。
松永:横丁夏まつりはいつもイベントが7月の頭なので、いつかは最後とかにやりたいなって思います(笑)。
菊竹:TIFも時期っていうのは大切に考えていますね。8月の週末はどこに移っても何かしら大規模フェスとかぶってくるので、そのあたりは逆に気にせず、TIFはTIFらしく、日程も変えずにブランディングのひとつとしてやっていきたいと思っています。
幸い8月第一週の週末は1年を通しても晴れの日が多い特異日らしいので、野外フェスとしては、天候は何より大きな演出となるので守っていきたいですね。
ただ、東京オリンピックが近付いてくると、だんだん場所が使えなくなっていくので、時期の変更をいつか決断しないといけないことになるかも、と思っています。
橋元:@JAM EXPOは毎年8月末にやっていたんですけど、去年は9月に引っ越しました。ですので、この時期じゃなきゃダメっていうのは特にはないのですが(笑)、実際には会場が取れないので時期移動は難しいのかなって思います。
菊竹:横丁夏まつりさんも@JAM EXPOさんも開催時期変わらずでお願いします(笑)。
一同:(笑)。
濱田:企画やコンセプトについて、今後こうなりそうだなと思われている事はありますでしょうか。
松永:当然、横丁夏まつりにもステージがありますし特典会がありますが、そんな中でしっかりとお祭りにしたいなっていうのがあります。
そもそもアイドル横丁夏祭り!!って名前をつけたのも、日本に生まれて夏祭りっていうのを経験して育ってきた人間として、あの感覚をアイドルイベントに来た事で印象として持って帰ってもらえればという事があったので、この事を突き詰めたいです。今も小学6年生までは無料になっていますが、息子さんとか娘さんを一緒に連れてきてもらって楽しんでもらえたらいいなっていう思いがあっての事です。
ここにいる3つのイベントではトップバッターなので、横丁夏まつりで勢いがつくと、そこからTIFさん、@JAM EXPOさんが盛り上がるという流れがあるかと思います。ですが、たまにはTIFさんで見て「良いじゃん」ってなったグループをアイドル横丁でブレイクさせたいなっていう思いもあります。開催時期を変えたいと言っていましたが(笑)、その方法は開催順を変える事だけではないと思いますので、違う立場と違う時間軸でやってみたいと思いますね。
菊竹:今、アイドルに限らずですが、コンテンツに対してファンの方が大事にしているのってストーリー性だと思っています。
例えば、TIFではメインステージ争奪戦というのをやっているんですけど、そこで頑張ってくれた初出演のTask have Funさんや、26時のマスカレイドさんらが来年より大きくなってヘッドライナーになって戻ってきてくれたりすると、個人的にもすごくうれしいし、TIFとしても年間を通した素敵なストーリーになるなって思っています。そういう形でどんどん翌年、その翌年へとストーリーを繋げていけるフェスにしたいなって思います。
橋元:@JAMは、年間を通した集大成が@JAM EXPOだと思っています。1年に1回このイベントに出たいって方をどうにかするっていうよりかは、1年に20本あるライブの集大成を作ろうよっていうようなものにしたいと思っています。1年を通じてご一緒できる方を応援していけたらいいなと思っています。
今、@JAM EXPOを海外でやるわけには行きませんが、海外イベントを年に2回開催してきているので、いつか一度、アジアでも大きいイベントをやってみたいなという思いはあります。
あと、やっぱり時代を共に過ごしていて、何年も活動する中でメンバーの卒業とかもあるグループもたくさんあると思うんですが、そういうグループも応援して、長く一緒にやっていきたいっていうイベントにしたい思いもあります。
濱田:ありがとうございます。
ここまでお聞きして参りまして、みなさん感じられていると思いますが、今日お越しの3つの大きなイベント・フェスが現在のアイドルシーンを引っ張っていると改めて思いました。
最後になりますが、皆さんから各イベント、2018年以降に向けて意気込みをお願いします。
松永:横丁夏まつり自体は6回目を迎えています。始めたときは正直ここまで続くとは思っていなかったんです(笑)。続けるのもなかなか簡単ではなく、でも、活動するアイドルの方がいて、そこにファンがいてこその色んな事が重なって今があると思っています。続けられるよう頑張りたいなと思っています。
鈴木:2006年ごろからこのシーンに関わっています。10年以上経ってインディーズとかメジャー関係なしのこれだけの大きなイベントを3つできるシーンになりました。横丁夏まつりは、今まで誰がキャスティングをやっているかも公表していなかったんですけど(笑)、今後もアイドルを応援しているファンの方にとって幸せな現場になるように仕事をしていけたらなと思います。
菊竹:アイドルを応援する気持ち、ファンに応援される気持ち、様々な方向の「応援」というベクトルを大切にした、TIFにしたいと思います。TIFに来れば必ず、ファンにとっての「アイドル」が見つかる。TIFに出れば必ず、アイドルにとっての「推し」が見つけてくれる。このコンセプトを変えず、そして変わらないために、どんどん新しく変わり続けられるフェスでありたいと思います。
橋元:2010年何もわからないところから始まり、なんとか8年やらせていただいております。個人的にはいくつかのグループをプロデュースさせてもらっていて、これからヒットを出してイベントに出演させて返していくっていうのをやりたいなと思っています。
色んな方のお陰で@JAMがあるかと思います。@JAMEXPOが、アイドルシーン全体が盛り上がるプラットフォームの一つになればいいなと思いますし、皆さんが活躍できる場所を提供できるような場所になればいいなと思っています。
▽前編はこちら
松永直幸・鈴木愛結(アイドル横丁)、菊竹龍(TIF)、橋元恵一(@JAM)、2017年夏のアイドルフェス・イベントを語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.8レポート【前編】
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<過去のアイドルLOUNGEのレポートなどはこちら>
http://lopi-lopi.jp/media/335/
各イベントのレポート
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アイドル横丁夏まつり!!~2017~特集
<TOKYO IDOL FESTIVAL>
TOKYO IDOL FESTIVAL2017特集
<@JAM EXPO>
@JAM EXPO 2017特集
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