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菊竹龍と濱田俊也、新任前任TIF総合Pが「大型アイドルイベントの果たす役割」を語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.5レポート

2017/04/27 に公開

2017年4月12日、東京・六本木にて「アイドルLOUNGE オフイベントVol.5~アイドルイベントの理想形~」が行われた。

アイドルシーンで精力的に活動しているゲストスピーカーを招き、ここでしか聞けないトークを展開するアイドルLOUNGE (https://lounge.dmm.com/detail/186/)
今回は、”アイドルイベントのあり方”が主なテーマに掲げられた。

ゲストには、新たにTOKYO IDOL PROJECT(TIP)とTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF) 2017総合プロデューサーに就任した菊竹龍氏を招き、TIPの立ち上げを行いTIF2015・TIF2016の総合プロデューサーを務めた前任の濱田俊也氏がコーディネーターとなって、現在のアイドルシーン、アイドルイベントについてのトークが展開された。

~菊竹龍(きくたけりょう)氏(TOKYO IDOL FESTIVAL2017総合プロデューサー)~
大学卒業後、番組制作などを経験。のち、2015年春に立ち上がったTOKYO IDOL PROJECTのプロデューサーを経て、2016年秋に総合プロデューサーに就任、さらに、TOKYO IDOL FESTIVAL 2017総合プロデューサーとなる。


~濱田俊也(はまだしゅんや)氏(アイドルLOUNGEコーディネーター)~
アイドルフェス・ライブ・ファンクラブ・映像配信・ゲームなど様々な取組のプロデューサーや責任者をこれまでつとめてきた。



~現在のアイドルシーンにおける大手事務所、大手アイドルの貢献と効果~

濱田:今回のオフイベントは動画配信ナシなので、色々とお話しできればと思っています。デリケートなことに触れる可能性もあるので、会場の皆さん、今日の内容は2ちゃんねるなどに書かないで下さいね(笑)。

菊竹:傷つきやすい2人なので…(笑)。

濱田:そうね(笑)。傷つきやすいといえば、最近菊竹Pは、lopi・lopiさんの特集記事きっかけで傷ついたんですよ(笑)。
※2月23日に掲載された「一億人に響く神曲とシーンをガールズアイドル業界著名人35名が分析」(http://lopi-lopi.jp/detail/13655/

菊竹:そうですね(笑)。素直な気持ちをアンケートで書いたら、「何言ってんだ」と叩かれて…(笑)。

濱田:ネットに「今年のTIF菊竹PがめっちゃAKB寄り」って書かれてたね。

菊竹:2017年の「アイドルシーン全体として」どうですか?」って質問に「業界全体を語る上で、現在の坂道グループの影響力を抜きでは話せないと思う」って答えたら「TIF2017」はこうなっていくんだな~、みたいに書かれて(笑)。TIFについてではなく、アイドルシーン全体について一般論を話したわけで。

濱田:そういう状況だもの、ね。改めて、菊竹Pが今年のアイドルシーンをどう考えているのか、教えてください。

菊竹:色んな要因もあって個々のグループの集客数は伸び悩んでいるなとは思いますが、総じてファンの方は減っていないというのが僕の印象です。その主な要因は、新規アイドルグループ数の増加です。

特に大手事務所の、アイドルを目指して芸能界に入ったという子たちが多数アイドルグループに参加しているような、例えばスターダストさんの3B juniorさんだったりとか、プラチナムさんのShibu3 projectさんだったりとかが生まれてきている事が、今、一つの現象である感じがしています。

それと、ネットで叩かれたのでアレですけど(笑)、やっぱり坂道グループさんの影響が強いと思っているんです。さいたまスーパーアリーナの3デイズレベルのキャパにもかかわらずプラチナチケットになる。それだけの規模のライブをやっても引き続き「私たちはアイドルです」「アイドルとして頑張っているんです」と言ってくれているのは、業界にとってはとてもプラスの要素なのではと。

聞いた話だと、学校のクラスの女の子が「乃木坂46大好き!欅坂46大好き!」ってなっているそうです。そういう声を聞くと、隠れていたファンも「自分も欅坂46が好きなんだよね~」って言いやすいと思いますし、あまり興味の無かったライト層を引き込めるというのが大きいなと思います。

濱田:坂道グループさんによって女性ファンが増えたというのは大きい、いい話だよね。坂道グループさんの存在で、シーンはどうなるんだろうね?

菊竹:「可愛くて、清楚で、上品で」っていうのが大きなトレンドとして存在していると思うので、各運営さんがそのトレンドに乗るのか、他でもやっているから違うのでいこうという手法を取るのかですよね。

濱田:考えてみると、“AKBグループっぽいアイドル”とか“坂道グループっぽいアイドル”とかっていう言葉をあまり聞かない。対象が大きすぎるともはや模倣の声も出てこない、っていう気がする。そこから離れようとした結果、またさらに今、色んなコンセプトで勝負しているアイドルが多くなっているのではないか、と思いますね。




~アイドルライブの現在と未来~

濱田:ライブやイベントの集客数が落ちている話はよく聞くよね。

菊竹:でも、ライブやイベント自体の数は増えていると思います。そのままイコール、業界の盛り上がりとは限らないと思っているんですけど、それでも数が増えるというのは、「チャンスだ」と思っている人が多くいるわけですから、やっぱりアイドルシーンは魅力的なシーン、業界のままだな、と思います。

ただ、@JAMの橋元Pがご自身でおっしゃってたんですけども…以前はアイドルの子達が「武道館を目指しています」っていうのが多かった、でも近年は目標がZeppさんになっていると。それに、今、ワンマンライブの価格がすごい事になってますよね。無料でライブをやったりとか。そこでの自分のグループの「集客がすごいです」っていう風に強調してくる運営さんもいて…どちらも今の状況が如実に現れているなって思いますね。前は、4,000円の価格のチケットで「ワンマンライブがSOLD OUTしたんです」っていう説明が普通だったのに。

濱田:価格をコントロールしてお客さんを集めるっていうのは、例えば消費材のマーケティングだと大いにありうるわけだけど、こういうエンターテインメントのシーンでそうなっちゃうと…行き着くところを考えると恐ろしいね。

菊竹:そういう事が負のスパイラルのほうにいかなきゃいいなっていうのがありますね。

僕が言う話でもないんですけど、今、ネガティブなニュースばかりが飛び出していますね。皆、粗を探しあっているというか、そういうシーンになっちゃうとアイドルの気持ちも荒んでくるし、そういう業界になって欲しくないなと思います。

「アイドルブームって頭打ちなんですか?」とかよく聞かれるんですけど、もうそういう話をせずに済むようになりたいなぁと。今後は、「アイドルはブームじゃないです、1つのカルチャーです」「カルチャーだから上がったり下がったりもあります」というべきなのではないかと思います。

会場から: 菊竹Pから見て、「どんなイベントが増えてきたらいい」というのはありますか?

菊竹:各イベンターさんがものすごく工夫されて色んな企画をやってらっしゃるところですが、「こんなイベント今までありえなかったね」「見た事ないね」っていうイベントが出てきたらいいなと思っています。

濱田:そういう事で言うと、ゴールデンウイークに物販を中心に行うとても大きいイベントがあるね。吉田豪さんが、「たぶんTIFでいうと物販スペースとINFO CENTRE部分だけに特化したイベント」だ、って言っていて。武道館で、だよ。

菊竹:いやあ、そうきたか!って思いました(笑)。前売券とかナシで当日券のみっていうのもすごいなって。一石を投じてるなって思いましたね。




~大型イベントの役割、TIF2017が今年示したいもの~

濱田:この夏のアイドルイベントも、TIF2017、@JAM EXPO、アイドル横丁夏祭りと発表され出揃ってきています。菊竹Pは、2017年の、アイドルイベントのあり方、特に大型イベントの役割ってどういうものだと思っていますか?

菊竹:TIFだったり@JAMさんだったりアイドル横丁さんだったり、夏の大きいイベントが大成功するという事が、「アイドルシーンまだまだいけんじゃん」という気を吐ける事なんじゃないかと思っています。

TIF2017はそのための具体策の1つとして、頑張ってはいるんだけどどうやってブレイクしたらいいのかわからないアイドルグループのために、日本各地からの選抜ライブを7ブロックに分けて展開しています。でも、今思えば東西2ブロックくらいにすればよかったかなって思いますね(笑)。全国7ブロックはすごく大変で…。

濱田:アイドルの傾向、シーンの地域間の違いなど、いろいろと感じたとは思うんだけど、特にイベントは、何が地方と東京とで違っていて、大変だった?

菊竹:企画を始めた事を知ってもらえないんです。「日本全国で選抜ライブを開催します! 出演アイドルを募集します!」って言っても、地方によってはたくさんエントリーをもらうんですけど、地域によっては全然集まらなくて。現地のイベンターさんなどに話を聞くと、出たいけどためらっているとかではなく、そもそもみんな企画の存在を知らないという…持っているネットワークを駆使して宣伝したんですけど、なかなか広まらない。

アイドルシーンってみんな情報に敏感で、受け身ではなく、自分で取りにいくシーンだな、と思っていたんですけど、日本全国でいうとそうでもないですよね。本当、チラシとか配ればよかったなって思いました(笑)。

濱田:東京の感覚でやるとやはりうまくいかないか。特に告知宣伝という事でいうと東京目線ですすめていくと良くない結果になりかねないね。例えば、インターネットって地方のアイドル運営さんは東京の運営さんみたいには使ってないんだと思うよ。でも修正できたんだよね?

菊竹:そうですね。実際予選が始まって決勝ともなると予想以上の盛り上がりを見せてくれています。今年でこの企画もわかってもらえて、来年からの展開に繋げられたのかなって思います。

濱田:TIF2017には「チェアマン」もいるよね。これは大きいよね。

菊竹:そうです。指原莉乃さんに「チェアマン」という位置で立ってもらって、初回の出演者発表でHKT48さんの出演を発表しました。

一方で、そうなると業界やお客さんから「TIFはメジャーアイドルのフェスになったんだな」っていう声が多くなるとは予想していました。なので「TIF2017はこれまでと変わらないコンセプトでやっていきますよ」っていう意味で、さきほどの地方からのフックアップ企画もやりますし、TIF初回から支えてくれている人を “温故知新” というテーマでフィーチャーする企画もやります。こちらは、例えば、TIFの初回から振り返るという事をニコ生「TOKYO IDOL CHANNEL」でスタートしています。

濱田:いろんな人に聞かれると思うけど、TIF2017のキャスティングはどう考えているの?

菊竹: TIF2016と変わらず、ライブを拝見して判断しています。その上で、一個、大事にしているのは運営さんの状況。そのお話しをさせていただいている運営さんが信頼できる方であれば、その運営さんにベットするということもあります。

あと、TIFスタッフの現場プロデューサーの想い。「このグループは絶対にTIF2017に出たほうがいいです!」という事を熱をもって話してくれたらそれはもちろん検討いたしますし…本当にそこですね。僕たち制作者の「自分はこのグループが好きだ」という想いを大事にしたいなと思っています。

濱田:どの夏イベントに対しても、毎年、「何であのグループが出れて、ウチのグループは出れなかったんだろう」という、アイドル運営の皆さんの気持ちがあると思うんですよ。実は、どこまでいっても「客観的な線の引き方」はイベント運営側でも難しい。総合プロデューサーの主観がやっぱりあり、それは総合プロデューサーの覚悟そのものでもあるんだろうと思います。

他にも苦労している事がまだまだあるよね?

菊竹:スポンサーさんは、今作業していて、苦労してますが、感触は悪くないです。今年も「一緒に取り組みたい」という企業さんがあります。

それと、エリア、会場ですね。そもそも屋内イベント会場でやるのであれば、そこでレイアウトは調整できるんですけど、僕らのイベントは「東京都の土地を借りる」事とか、社内イベントとか、毎年毎年の外的要因でエリアが変わるという状況ですよね。今年も、なるべく外的要因に左右されずにいこうとは思っています。

濱田:今はあまり詳しくは話せませんが、過去、上手くいったとはちょっと言い難いステージがあって、そこの対応は僕からの数少ない申し送りの一つなんですよ。解決した?

菊竹:そうですね(笑)。

濱田:僕は、TIFについて、申し送りはごく一部にして、基本的には“物事の考え方”を中心に「引き継ぎ」したんです。広い意味でのマーケティング思考です。ですので、はっきり、「表に見えていた今までのクリエイティブとかは、なんなら跡形も無くぶっ壊してもいいよ」「だから、考え方だけは守って好きなようにやりなよ」と伝えていました。いま菊竹Pはそれらを実践しているのだと思います。

TIFは今や大きなイベントですし、アイドルシーンの勢いを表す存在でもあります。そしてTIF2017は菊竹Pが知恵を絞って作っております。皆さん、菊竹Pを信じてお付き合い頂ければと思います。最後に、菊竹P、TIF2017への意気込みをお願いします。

菊竹:今年のTIF2017のコンセプトは応援です。頑張っている子達を応援したい。

じゃあ、応援するって事は何なのか?
応援するためには、我々もプラットフォームとして、応援するに足る発信力、影響力などのキチンとした力が必要です。例えば、集客3人のイベントで、「私たちはアイドルを応援してます!」と言っていても、それは応援にならないと思います。
TIFとしては、フェス当日ももちろんですが、地上波テレビ放送も駆使して、少しでも多くの人に、頑張っているグループさんを見てもらいたい。

TIP、TIFはプラットフォームで、アイドル、ファン、関係者の皆さんあってのイベントだと思います。僕らは皆さんを応援して、シーン全体を盛り上げられるようなフェスにしたいと思っておりますので、お力添え頂ければと思います。




<アイドルLOUNGE>
https://lounge.dmm.com/detail/186/

<過去のアイドルLOUNGEのレポートなどはこちら>
http://lopi-lopi.jp/media/335/

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