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STARMARIE単独公演「FANTASY CIRCUS~第三幕 スペル・オブ・ザ・ブック~」

2016/08/30 に公開

 STARMARIEが提示し続けてきた「FANTASY CIRCUS」シリーズ。2月に行ったFANTASY CIRCUS〜第一幕 幻木町の怪人〜」、4月に実施した「FANTASY TRIP〜第二幕 星祭りの夜〜」に続き、8月21日(日)東京・品川ステラボールを舞台に「FANTASY CIRCUS~第三幕 スペル・オブ・ザ・ブック~」が行われた。


舞台は、人の生涯を記した本がたくさん保管されている幻木町立図書館。

 舞台は、幻木町立図書館。ここには、人の生涯を記した本がたくさん保管されている。そう、誰も読むことの出来ない、誰にも読ませてはいけない数多くの人の人生を記した本が、この図書館には並べられている。その本を管理しているのが、サナダという一人の男。「本を開いてはいけない。人は誰しも決まったストーリーを生きています~絶対に本を開いてはいけない」。彼の案内から、今宵の物語は不思議な時間の中を彷徨いだした。


悲劇の始まり、本が書き換えられる!?

巨大な幕に覆われた舞台。「もしも、あなたが本を開いたとしたら、それは史上最も残酷な物語の始まりとなるでしょう。スペル・オブ・ザ・ブック」「なんということだ、本が何者かに奪われた。内容が書き換えられてしまうかも知れない。これから、たくさんの悲劇が起きる…」

幕が降りると同時に、生バンドの演奏を従え、『屋上から見える銀河 君も見た景色』を軽やかに歌い踊りながらSTARMARIEの5人が姿を現した。彼女たちは屋上から、これから起こる悲劇を目撃する証言者になるのか?それとも、事件の当事者なのか?この事件の語り部になるのか…。
 開放的な楽曲に包まれ華やかなステージングを繰り広げる彼女たちの姿からは、まだ悲劇の影を感じることはなかった。むしろ、胸に広がっていたのは、期待に胸を踊らせるワクワクな気持ちだ。




激しい演奏に乗せ、STARMARIEが観客たちを『モグラミステリーツアー』へ連れ出した。このツアーが向かう先は、果たして何処?このミステリーツアーに飛び乗ったことが、事件への当事者や目撃者になるための悲劇の始まり?熱狂する気持ちが、パラレルワールドへと続くレールを走っていることさえ忘れさせてゆく。不安など消し去りながら…。それでも、その心配を完璧にぬぐい去ることは出来なかった。これは悪い夢?すべて幻?それだったら、何時かは覚めるんだけどさ…。

辿り着いた先で待っていたのは、公演ではお馴染みの司会者ハマムラだった。四つ打ちのダンスビートが気持ちを嬉しく騒がせてゆく。激しいギターサウンドが期待をワクワク掻き立てていく。司会者のハマムラは『グッモーニンッ!!ハマムラSHOW』に乗せ、次々と、不幸なニュースを笑顔で届けていた。ここは奈落の地!?やはり楽園ではなかったの?そんな不安がどんどん膨れ上がってゆく。はい、次!


人間だもの、覗き見したい魔力には勝てないよ。

幾つもの松明(たいまつ)の炎を掲げながら、今宵を物語る"あらすじ"が告げられた。スポットライトの下にたたずむ5人。やがて演奏は、怪奇で幻想的な調べを始まりに『スペル・オブ・ザ・ブック』を奏でだした。5人が語る今宵の物語のあらすじ…。
不安を掻き立てる!?いや、不思議と5人の歌はワクワクとした期待さえ与えてくれた。ただし、その歌声には黒い影を忍ばせていたように、「本を開いてはいけない」の言葉に従いたい自分がいたのも事実。でも、それ以上に勝ってしまうんだよ、好奇心ってやつがさ。だって人間だもん、覗き見したい魔力には勝てないよ。激しくドラマチッチな演奏が、心を熱く高ぶらせてゆくんだもの。


                                            美しくも悲しい調べと躍動的な演奏が交錯してゆく。テレビでお馴染み2時間ドラマの帝王が『帝王の華麗なアリバイ』を通し、完璧なドラマの作り方を伝えてきた。えっ、自分も犯罪に巻き込まれてゆくの?アリバイを証明する証言者として事件に巻き込まれる?そんな不安を消し去るように、STARMARIEの5人は華麗に歌い踊り続けてゆく。不幸に堕ちてゆく様を、あざ笑い、見下ろすように…。不安?だからこそ、誰もが大声張り上げ、浮かれた宴に溺れていたかった!?

 その心配を解き放つように、STARMARIEは『モノマネ師ネロ』を通し、さらに熱気を注ぎだした。ロックスターもハリウッドのセレブも、ただただ熱狂に興じてゆく中、5人はこの空間へ迷い込んだ僕らへ、謎を含んだメッセージを次々と投げかけてゆく…。
 そのメッセージは、本田教授が残したダイイングメッセージ?昨夜、この場で本田教授が何者かに殺された。これも本に書いてあった物語通りの展開!?それとも、誰かが書き換えたシナリオ?『本田教授のダイイングメッセージ』を、さりげなくネロが語りかけてきた。間違いなく今、自分は事件の中にいる。激しく声を張り上げながら、自分が、誰もが、事件の当事者として次々と書き換えられてゆく物語の渦中にいた。そのダイイングメッセージは、事実?それとも、嘘??それさえも今はまだわからない…。


「開いてはいけない、あれほど言ったのに」

響く雷鳴。何時しか迷い込んだのは、お化け屋敷。「開いてはいけない、あれほど言ったのに」。闇から響く声…。それは、お化けが与えた警告!?でも、『お化け屋敷に就職しよう』の歌に触れたとたん、身体も心も騒がずにいれなかった。これも一種の呪い?こんな呪いなら、大歓迎だ。絶叫こだまする場内。物語の語り部として5人は、お化け屋敷に迷い込んだ者たちを煽り続けてゆく。ホラーでドラマチックな演奏に乗せながら、無邪気にあざ笑ってゆく。「呪います、呪います」と…。

 流れ出したのは、哀切な歌と躍動的な演奏がめくるめるドラマを描いてゆく哀愁ダンサブルナンバーの『狂おしき月下の舞踏会』。彼女たちは、騒ぎ続ける観客たちへ密かに毒を盛ってゆく。華麗に歌い踊りながら、さりげなく魔の手を忍ばせていく。もしや、この本を書き換えようとしているのは、この5人?それとも、別の誰か?彼女たちは誘いをかけてくる。恋への誘いをかけてゆく。不安さえ忘れてしまうほど、彼女たちの歌へ導かれ、壊れそうなくらい熱い視線を5人に向けていたのも事実。
その誘いに応えた先に待っていたのは、あなたとの結婚式の日。『ガイコツたちのメンデルスゾーン』が幸せの調べを響かせてゆく。でも、それは過去に失くした想いを投影した、あなたの身勝手な恋の妄想?結ばれるという発言も、じつは、あなたが過去に毒殺されたことへの復讐のため?身代わるその相手を僕に求めてきたということ?いろんな不安が錯綜する中、ガイコツたちが幸せな調べを奏で続けていた。

殺したのは誰だ?悲鳴にも似た絶叫が、一瞬して異世界へと連れ出した。『サーカスを殺したのは誰だ』が、とあるホテルで起こった悲劇の現場へ連れ出した。熱狂導く音楽へ飛び乗り、大騒ぎせずにいれない。でも、ここもまた悲劇を導いた空間…。
次から次へと悲劇の現場を巡る。この旅の行く先は一体何処なんだろう。STARMARIEの5人が連れ出した熱狂に酔いしれていると、理性など吹き飛んでしまう。そして自分も、熱狂の中で殺されてしまうの?そんな風に僕の人生のブックを、あなた達が書き換えているの?それとも…!?





ここは、幻木町。最初の悲劇が起きた、あの忌まわしい惨劇を起こした幻木町

とある天才科学者が嘆いた声を響かせてゆく。その切ない声は、彼の魂の叫び!?STARMARIEの5人が、死にゆく運命を背負った一人の男の心の声を『ブレアと天才科学者の功罪』を通して伝えてきた。彼の叫びは、夢の中に現れた声?それとも、現実に命を途絶えてしまう運命なの?「夢なら覚めてよ」と歌う5人の歌声が、失くした子供を科学の力で甦らせようとしていた科学者の、現実から逃げたい心の叫びを代弁していた。

 ここは、幻木町。最初の悲劇が起きた、あの忌まわしい惨劇を起こした幻木町。今宵の物語へ導いたのは、亡くなったはずの『幻木町の怪人』!?すべての物語を書き記し、次々と書き換えては人生をあざ笑っていたのは、幻木町に住む怪人のせい!?「間違い」「全部嘘」、5人はそう歌い叫んでいた。これまでの物語はすべて、幻木町の怪人が持つ魔力によって弄ばれた物語?みずからの人生って、自分ではなく、そんなまやかしに支配されてしまうものなの?


「あと少し、魔力が消えるまで側にいて…」

闇のドラマは、何時しか光に塗り替えられてゆく。強大な魔力さえも、何時しか消え去る時が来る。高森紫乃が、しっとりとピアノを奏で出した。優しい音色の中に忍ばせた切々とした嘆きの調べ。それは、彼女の心の泣き声?
高森紫乃の演奏に乗せ、4人は『魔力が消える~I'll deal with the DEVIL~』を歌いだした。STARMARIEの5人は、悲劇に巻き込まれた僕を救ってくれる魔法使い?それまで場内を支配していた魔力が、どんどん消え去ってゆく。盗まれた本も、無事に幻木町の図書館へ戻されたの?安堵感が胸に降りてゆく。STARMARIEはバンドを従えた演奏の上で、温かい調べと歌声を場内に美しく響かせていた。





星祭りの夜、高森紫乃の軽快なピアノの音色に乗せ、4人が月明かりを浴びながら優しく軽やかに歌い踊ってゆく。でも、殺したいのはどういうこと?
華やかにスウィングしてゆく『星祭りの夜 君を殺しに行く』に乗せ、歌いかけてきた。そうか、彼女たちは恋のスナイパー。悲劇の世界の中へさえ、素敵な恋の物語を描く、幸せな心に染める弾丸を撃ち放つスナイパー。だから不安に駆られながらも、ずっと僕は彼女たちの歌に救われていたのかも知れない。今宵の祭りは、なんてウキウキと気持ちを弾ませてくれるんだ。


この本の結末は何処へ向かうのか、誰かが勝手に書き変え続けているのか?この物語の作者は一体誰なのか!?

大切な人と一緒に幸せな今日や明日を描きたい。『賢者のローブ』は、悲劇に巻き込まれた女性の大切な人へ向けた想い。愛する人と一緒にいれるなら、この命を捧げることだって惜しくない。きっと、これが「恋」。いろんな物事を塗り替える力に変えてゆく「恋」って存在だろう。

愛する人との最後の晩餐。ロールスロイスを差し向けたポールからの招待状を手に、限られた幸せを心の底から分かち合おうと、三ツ星レストランに愛する2人は向かってゆく。絶叫飛びかう場内。極上の音楽という料理が、最上級の熱狂を描いていた。今宵のディナーは、だいぶランクが高そうだ。せっかくの招待だ、贅沢なまでに熱狂を味わい尽くそうか。『三ツ星レストラン・ポールからの招待状』を、気合い漲る歌声で歌い踊る5人。場内は最高の称賛に包まれていた。

なんて幸せな、なんて楽しい宴だ。その物語の登場人物になろうと、その物語の傍観者として目撃する立場だろうと、この物語は心にずっとドキドキとワクワクを与えて続けていた。なんて『FANTASTIC!!』な物語だ。数々の悲劇さえも、何時しか吹き飛び、笑顔と興奮に全身が支配されていた。

この本に記されたのは、ステラ(STARMARIE)とスバル(観客)との、ドラマチック過ぎるほど、たくさんのページをめくった危険な魅力(魔力)を放つ物語?
 切々としたピアノの音色を始まりに、いろんな空間を飛び越え、体感し、目撃し続けた物語は、華やかで開放的な『ステラとスバル 宇宙のラブストーリー』を通して、幸せなエンディングを迎えてゆく。いや、僕たちの出会いを5人が歌いかけたように、それはけっして幸せとは言い難い物語。これは悲劇?刺激的なほどに心が痛い喜劇!?いさかいの中に芽生えた幸せの物語!?
この本の結末は何処へ向かうのか、誰かが勝手に書き変え続けているのか?この物語の作者は一体誰なのか!?その答えは…それぞれに受け止めようか…。


自分の未来は自分で書き込むんだ。開け、その本を。スペル・オブ・ザ・ブック!

 「今、目の前にあなたの生涯を書いた本があるとして。見るのが怖い、誰かに書き換えられるのが怖い…。もし未来が見えたら、傷つき、裏切られ、泣き、怒るかもしれない。
本当は、サナダなんて男は存在しない。みんな本を見ない、フリをしていた。未来を見ない、フリをしていたんだ。そしてあの日、誰かに書き換えられるのを、指をくわえて見ていた。もう大丈夫、構わない。さあ開け。開いて傷つけ、裏切れ、泣け、怒れ…そうやって前に進むんだ。自分の未来は、自分の手で書き込むんだ。開け、開け、開け、その本を。スペル・オブ・ザ・ブック!!」

  一人一人が本の主人公。その本を書くのは自分の意志。でも、これまでに描いた「FANTASY CIRCUS 〜第一幕 幻木町の怪人〜」「FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜」二つの物語を描いたのは誰?先に記した2つのレポートも読み返して欲しい。それは、僕がSTARMARIEに導かれ、勝手に自分の心と重ね合わせて描いた妄想の物語。そんな物語になって欲しいと願って書き記した、これもまた妄想の物語。またしても、一本取られたね、STARMARIEに…。


▼FANTASY CIRCUS 〜第一幕 幻木町の怪人〜
新宿BLAZEに続きO-EASTもSOLD OUT!幻想的な物語が展開された、STARMARIE「FANTASY CIRCUS 〜第一幕 幻木町の怪人〜」レポート

▼FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜
今宵STARMARIEはどんな物語を描くのか?春の東名阪ツアーファイナル『FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜』レポ


「死を歌う」のではなく「未来を歌う」

アンコールからは、通常のSTARMARIEのステージモードへ。『姫は乱気流☆御一行様』を通し、場内に大騒ぎの空気を熱く注ぎ込めば、『メクルメク勇気!』で、乱れ狂ったその熱をさらに明るく拡散させてゆく。立て続けにアニソンナンバーを届けたところに、世界を視野に、世界を舞台に活動をしているSTARMARIEの、もう一つの意志を強く感じていた。「死の物語を歌う」姿と対を成す、「世界中の人たちの心に響くアニソンを歌い続ける」という姿勢を。

最後に、12月26日に中野サンプラザでの単独公演が決まったことを発表。夢の速度、ますますグンっとスピードを上げてきたね!
            




【ライブ写真】



































PHOTO:ツカイツバサ
TEXT:長澤智典

──セットリスト──
『屋上から見える銀河 君も見た景色』
『モグラミステリーツアー』
『グッモーニンッ!!ハマムラSHOW』
『スペル・オブ・ザ・ブック』
『帝王の華麗なアリバイ』
『モノマネ師ネロ』
『本田教授のダイイングメッセージ』
『お化け屋敷に就職しよう』
『狂おしき月下の舞踏会』
『ガイコツたちのメンデルスゾーン』
『サーカスを殺したのは誰だ』
『ブレアと天才科学者の功罪』
『幻木町の怪人』
『魔力が消える~I'll deal with the DEVIL~』
『星祭りの夜 君を殺しに行く』
『賢者のローブ』
『三ツ星レストラン・ポールからの招待状』
『FANTASTIC!!』
『ステラとスバル 宇宙のラブストーリー』
-ENCORE-
『姫は乱気流☆御一行様』
『メクルメク勇気!』
『名もなき星のマイホーム』

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