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ひろゆき、インターネットの先駆者の視点で「アイドル」を語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.6レポート

2017/06/14 に公開

2017年6月5日、東京・六本木にて「アイドルLOUNGE オフイベントVol.6~アイドルとインターネット~」が行われた。
アイドルシーンについて、ここでしか聞けないトークを展開するアイドルLOUNGE (https://lounge.dmm.com/detail/186/)

今回は、特に、アイドルシーンにとって不可欠なファンとのコミュニケーション手段であるインターネットを中心に、初めて業界外の方に話を伺うことになった。

ゲストには、2ちゃんねるを開設して初代管理人を務めるなど、様々なインターネットサービスに携わり、また文化人としても著名な、西村博之(ひろゆき)氏を招き、アイドルコンテンツプロデューサー濱田俊也氏のコーディネートでトークが展開された。

ひろゆき氏らしいストレートで飾らない意見が飛ぶ場となり、関係者やファンの方からは賛否両論ありうる内容となったが、ネットを中心に幅広い事業で成功を収めるひろゆき氏の提言には参考となる部分が多いと感じる。通常のアイドル関連記事とは違い、”アイドルシーン外部からみるアイドル像”を知る貴重な機会としてぜひ読み進めていただきたい。

~西村博之(にしむらひろゆき)氏~
1976年生まれ。関わったり、作ったりしたもの。2ch、ニコニコ動画、ガジェット通信、4chan、Variety Japanなど。


~濱田俊也(はまだしゅんや)氏(アイドルLOUNGEコーディネーター)~
アイドルフェス・ライブ・ファンクラブ・映像配信・ゲームなど様々な取組のプロデューサーや責任者をこれまでつとめてきた。



~ひろゆき、ネット上で起きるアイドルとファンの問題を考察する~

濱田:今日は、「うちのアイドル叩かれちゃったよ、2ちゃんねるで…」(笑)の、あの2ちゃんねるを作った、ひろゆきさんに来ていただきました。
現在、ネット上でアイドルが話題になることは多いですし、ゆえにひろゆきさんはアイドル界隈に対して色々な意見や疑問もお持ちだと思うんです。文化人としても論客としても高名な方なので、色々とお話しをお聞かせいただければと思います。

僕が2年前にパリのJAPAN EXPOに出向いたとき、ひろゆきさんが、あるアイドルグループと一緒にいて…まるで応援されていたように見えて驚きました。

ひろゆき:そうですね。応援ではなく、当時は僕がアイドルプロジェクトのお手伝いをしているタイミングでした。そのためにJAPAN EXPOにいたんです。
基本的には僕は何でもやるんです(笑)。そのアイドルグループがインドネシアツアーに行ったときも、インドネシアの航空会社にアイドルが乗るっていう事で記事広告にしてもらいバーターにしてみたりだとか。そういうような仕事もしました。

濱田:元々、アイドルそのものに興味はあったんですか?

ひろゆき:むしろあんまり興味はなかったですね(笑)。
逆に言えば、ステージ側から見るとこうだとか、楽屋でこういうことしているだとか内側から見ることが出来たので、良い勉強になりましたね。アイドルを好きな人たちが集まる空間だったり運営がどうなっているかということに社会学的に興味があるだけで、女の子には興味はないんです。

濱田:そうだったんですね。いまアイドルって結構数が多いんですけど、どのぐらいいるのかご存知ですか?

ひろゆき:いや~全く分からないです(笑)。

濱田:いま僕がTwitterでフォローしているだけで、大体3,000ぐらいグループアイドルがいるんですよ。ソロのアイドルは本当にたくさんいますので正確な数はもう全くわかりません。

ひろゆき:ってことは競争が厳しくなっているってことですよね。
ちなみに会場の皆さんも競争している感はあるんでしょうか。それとも楽になってきたって方もいるんでしょうか。「アベノミクス効果がアイドル業界にもきたな」って感じている方はいらっしゃいます(笑)?

※会場、手がまばらに上がる。

ひろゆき:厳しいんですね。

濱田:そういう状況ですので、アイドルがアイドルらしく、一身に注目を浴びて、というのは少なくなっています。

事前にアイドルLOUNGEメンバーに、ひろゆきさんへの質問を募集していました。その中に、「ひろゆきさんがニコ生の番組でアイドルに恋人がいるのは許せないと仰っていたのは、どういう意味だったんでしょうか?」、という質問がありました。

ひろゆき:歌手だったりダンサーだったり役者だったりは、“能力の肩書きがつく”んですよ。で、アイドルは“キャラクターに肩書きがついている”からアイドルな訳で…。「アイドルってこういうキャラクターだよね」っていうのを皆が持っていて、「彼氏がいない」、「結婚してない」とかそういうイメージがあるものがアイドルだと思うんです。
そのイメージから、アイドルと名乗る以上は彼氏がいるのはおかしいんじゃないかなと。
ただ、個人的には超どうでもいいと思ってるんですけどね(笑)。

アイドルとファンって擬似恋愛じゃないですか。例えば男性アイドルも基本的には恋人がいるというのは明かさない訳で、やっぱり擬似恋愛モデルが一番じゃないですか。ビジネスとしてはそこまでするほうがいいと思うんですよね。
歌が上手いとかの能力が前面にあって同性の人のファンがついている人が、「彼氏います」、「彼女います」っていうのはファンは減らないと思うんですよ。海外のアイドルと言われている歌の上手い人とかって恋人を普通に公開するしインスタとかにも写真をアップしたりしてますしね。それで認知が上がってファンが増えたりしますけど、日本のアイドルの場合その方法は失敗するんじゃないかなと。

濱田:日本のアイドルファンの中にも「彼氏居てもいいよ」と言う人も、まあ、いるとは思います(笑)。

ひろゆき:(笑)。そこまで許容度が広い大人の人ってお金落とせないと思いますけどね。

濱田:さらにアイドルとファンの関係、特にインターネットを介した関係についてお話をお聞きしたいです。

アイドル自身やアイドル運営が、インターネットを使ってファンを獲得しようして色々難しいことが起きています。ここのところの、ネットでの様々なアイドル関連情報がこちらにまとまっています。ざっと見ていきたいのですが…。

※会場のプロジェクターに、2017年1月から5月までのアイドル関連のネットでの話題が示される。

濱田:1月は、「ファンからのプレゼントがネットで出品されていた」、とありますね。

ひろゆき:これなんて、キャバクラだったら普通のことじゃないですか(笑)。貰ったプレゼントを売られるっていう価値観をファンが持ってないのが驚きですけどね(笑)。

濱田:(笑)。なるほど。

…同じ1月、「Twitterの裏アカウントで奔放な男性関係が発覚。すぐに解雇」というのも。

ひろゆき:これってアイドルだけに限らず、一般的にありますよね。で、アイドルの方っていっても市民じゃないですか。だから一般の人と同じでそういうことやらかしているってだけで(笑)。大学生のサークルみたいなのではよくある話じゃないのかなと。

濱田:ベースとしてはそうで、その当事者がアイドルだからって言うのでより拡大しているのでしょうか。

でも、そもそも、アイドルはなんで裏アカウントを作るんでしょうかね?

ひろゆき:アイドルって基本的に承認欲求が高い人で、「何か認められたい」「褒められたい」とか、ふわふわした欲望を埋めたい人なんですよ。表向きは自分の本音を出せないので、その欲望を出したくて裏アカウントにいくのかなと思うんです。

濱田:ということは裏アカウントを作る際の動機、理由としては“何か満ち足りないものがそれぞれあるから”ってことなんですかね。

ひろゆき:まず、そもそも満ち足りないものがないって人はアイドルをやらないと思います(笑)。

濱田:アイドルになったことである程度満たされそうなものですけど…。でもまだ満たされないのはなんでだと思われますか。

ひろゆき:アイドルになりたいっていう理由が、「特定の誰かに好かれたい」ではなく、「皆に好かれたい」、「あの場所に立ってみたい」とか、すごく抽象的なものだと思うんですよね。

芸能事務所に所属してアイドルとしてデビューして、その後役者になって…っていう人は戦略的に考えていることもあるかもしれませんが、地下アイドルに入るっていう、先の見えないところに突っ込んでいるっていうのは微妙だと思うんです。地下アイドルの先の成功例ってあまりないですよね。そこにいっちゃうのって、地下アイドル自体が目的になっていて、そこを目的とすると、おじさんにチヤホヤされるというのが目的じゃないですか。そこを求めている時点で厳しいんじゃないのかなとは思うんですけど。そこまでして何かを満たしたい欲望がまだあるわけじゃないですか。

濱田:そうすると、裏アカウントを作っての炎上を止めるのはどうすればいいんでしょうかね。

例えばですけど、アイドルになる事自体を目的としている現状を、運営さんが何か先を見せてあげるように変化させることで、その満ち足りない気持ちを少なくさせることができるのかな、とかは思うんですが。

ひろゆき:運営が彼氏になってあげるのが早いんじゃないんでしょうか(笑)。

濱田:んー…。なるほど…(笑)。

ひろゆき:やっぱり、彼氏とか家族のために頑張るって子は多いじゃないですか。彼氏がこれやるなよって言えば止めてくれるわけで。そこで彼女も精神的な満足を受けつつ、アイドルとして業務に励むと思うんですけどね(笑)。

濱田:昭和の芸能界みたいなこと言いますね(笑)。でもあの時代も含め、まぁ現実的には運営さんが彼氏になるっていうのはそんなに無いとは思うんですが…(笑)。

…2月だと、「裏方さんが赤字を暴露した」や、「ギャラ未払いを運営が批判」、とか。
こうなってくると運営さんのほうがネット炎上の引き金を引いているものがあるかもしれないですね。

ひろゆき:ギャラ未払いってどういうことですか?そういうことがあるんですか?
今までギャラ未払いされた(未払いを受けた)ことのある運営さんとかこの中にいます?

※会場、一部が手を上げる

ひろゆき:いるんですね!

濱田:そうなんですよ…実は。

ひろゆき:なるほど…

濱田:5月、「大物経済人がアイドルプロデュース」とありますね(笑)。
よその業界の有名な方がアイドルをプロデュースするとなると、なんとなく勢いがある感じがしていいですよね。

ひろゆき:それなりに名前がある人がアイドルプロデュースしますって、定期的に発生するじゃないですか。結局鳴かず飛ばずで終了するのって、名前貸しだから失敗するんですかね(笑)。

濱田:いや、なんともねえ…(笑)。

…同じく5月だと、「アイドルのバイト先発覚」とかも。

ひろゆき:発覚って、よくあることじゃないんですか?そんな騒ぐもんでも…。

濱田:これはバイトがいわゆる水商売だったんですよ。

ひろゆき:なるほど(笑)。でも、芸能事務所に所属しているけど、仕事がないとか言う子いっぱいいるじゃないですか。そういう子じゃないんですか?(笑)。時給で働くわけにもいかないし、シフトもどう入れるかわからないから、水商売ってすごく当たり前だと思うんですけど。

濱田:たぶん、現実には昔からあるとは思うんですけど、今と昔と比べると、そういうのがあったらすぐ拡散しちゃうんですよ、そこが大きな差かなと。情報の拡散ってものすごいもので。

ざっとみただけでもこんな感じだったのですが、どう思われますか?炎上系が多いように思うのですが。

ひろゆき:やらかしたアイドル自身の頭が悪いという問題がありますね(笑)。
それと、ファンの能力自体が高すぎるっていう問題があるんです。これはアイドルファンに限らずファンは能力が高くて、ネットを使っているすごく優秀な人って普通の人じゃ考えられない結果を出したりするので、対抗するのは無理なんじゃないかなと。

濱田:まさに2ちゃんねるがそうですけど、「集合知」ですね。

ひろゆき:中には、写真に写った洗面所の形だけで家を特定しちゃう人とかいるんですもん(笑)。

濱田:すごいことですよね。アイドル関連でも何かあれば「特定」をするファンがいて。それがどんどん深化して拡散もされて炎上していくことがありますけど、大変ですよね。運営さんが対策をしても、結局ファンの力によって暴露されたりするので。

ひろゆき:芸能事務所によってだと思いますが、事務所がやらないといけないことを、個人でやっているところもたくさんあると思うんです。
知り合いのYouTuberなんかは、引越ししたって動画を上げて、あとでそのコメント欄を見たら住所を書かれてたって人もいますしね(笑)。本来そういう注意も事務所がやるべきなんでしょうけど、本人が全てなので。不動産屋と契約するときも「YouTuberって何?」というところで「信用できない」ってなるそうで。アイドルもそうだと思うんです。そういう意味で結構難易度が高い仕事な気がしますよね。

濱田:あと、絡んでくるファンも多いですよね。

ひろゆき:愛情と憎しみって同じベクトルじゃないですか。無関心っていうのは「どうでもいい」で、愛情が裏切られたら憎しみに変わるわけで。ものすごいエネルギーを使って愛情を込めて応援する人もいれば、転じてストーキングする人もいますし。構造的には同じだと思うんです。

濱田:そうだとしても、守るって人がいてもいいと思いますけどね。…インターネット上では他人を攻めるばかりで他人を守ることはあまりないですよね。

ひろゆき:頭のおかしい人にはネットでは勝てないですよ(笑)。

濱田:深く愛されているだけアンチがいるのは当然だとはわかりましたが、とはいえ、そこらへんを何とかする方法はないのかなと。

ひろゆき:ネットを使っている以上難しいとは思いますけどね。

けど、運営側がすごく頭が良くて、YouTubeとかニコ生とかのツールだけを使って、どこに住んでいるとかをわからないようにすることは可能だとは思います。

濱田:そうなると、せっかくネットを使ったコミュニケーションの意味、価値が下がっちゃいますかね。

ひろゆき:今だと、例えばアフリカTVのような投げ銭モデルのサービスがあって、それだけひたすらやっていれば、リアルでダメージを受けないで生活するのは不可能じゃないと思うんですよね。実際それで生活している人っていうのはアイドルと名乗らないで、“生主”としてお金貰っていたりするので、そっち側に行くっていうのはありだと思います。

会場:よく言われていることではありますが、炎上した際には基本はスルーする以外方法はないのでしょうか?

ひろゆき:ものすごく賢ければやりようはあるのですが、一番いいのはスルーで、他に材料を与えないが一番楽だし効果的な気がします。論破は間違いだと思っています。論破で切り抜けた人は今まで見たことがなくて。

材料を与えないよりもうまくやったのが、カールスモーキー石井さんで、必要以上に謝るという。「そこまでやらなくていいよ」っていうところまで謝られると、人は引いてしまうっていうのをやったんですよ。あれはすごく賢いと思うんですけど、それができないのであれば材料を与えないのが一番かと。

炎上させている人って基本暇な人なので。「こういう事件があって謝ります」の後に、「これも謝るべきだ」、「じゃあ謝ります」っていう新しい材料が出て人がどんどん集まっていっちゃうだけだと思うんですね。なので、一切反応しないほうが広がりは抑えられる気がします。事件によりますけどね(笑)。

濱田:ひろゆきさんも絡まれたりするんですか?

ひろゆき:僕そんなに好かれないから絡まれないんですよ(笑)。どうでも良いポジションです(笑)。



~アイドルとアイドル運営へ、多様化するアイドル系サービスとの接し方について~

濱田:先ほど具体的なサービスについてお話がでましたが、アイドルにまつわるインターネットサービスは現在色々あります。どう対応したらいいのか、特にアイドル運営さんは悩んでいると思います。

ひろゆき:リソース配分だとは思いますけどね。色んなサービス全てをやると過疎る訳で。ファンに連絡を取るとなると、結局Twitterになって。Twitterを使ってどのサービスにそのファンを流し込んで、どう課金してもらうか、自分たちで導線貼らないといけないじゃないですか。そうなるとサービスに多く関われば関わるほど“過疎っちゃった感”のあるところができちゃうので、絞ったほうが良いとは思うのですが。

僕があるタレントさんの手伝いをしていたとき、新興のサービスって良い条件で始められたりしたんですね。新しいブログサービスに話しにいくと、いきなりお金をくれたりするんです。新規で始まったところにいきなり門を叩いて「お金をくれるならやるよ」「トップページでプロモーションをしてくれるならやるよ」とか、そういう話しをするのが得なんじゃないかなと思いますね。

あとは僕、アイドルとソシャゲは似ていると思っているんです。ソシャゲってお金払って精神的な何かが手に入るからやっているようなものじゃないですか。結局今のオタク層の人たちってお金を持っているので、アイドルのCD200枚買ったらそこでランキングが上がって、“自分の応援している子達がそれなりに社会に良い結果を与えた”という欲求が満たされたりするので、オンラインのサイトでこういったことは今後も増え続けるんじゃないかなと思います。

濱田:特に動画サービスについてはどうでしょうか。

ひろゆき:動画って撮って編集するの面倒じゃないですか。だったら生放送のほうが良いと思うんですよね。撮りっぱなしでできるんで。

ただ寄付のモデルって、正直あまり長続きしないんじゃないかなと思うんです。僕は「アイドルのブランド価値をどうするか」っていうのを長期的に考えたほうが良いと思うんです。
生放送やりました、アイテム貰いました、それなりの金額貰えましたってなると、一生懸命やる必要なくなっちゃうと思うんです。短期的にアイテム課金を得るモデルはそんなに良くないのかなと僕は思います。イベントに出ました、CD売れました、交通費貰えましたって、利益で言ったら全然でないかもなので、そしたら生放送で利益得たほうが良いじゃんってなっちゃうじゃないですか。
それよりもイベントに出て、リアルの人と接点作るとか、業界のポジション作るとか、アイドルのブランディングのためには長期的にはそのほうが良いと思います。

お金とブランディングの両立のために動画サービスを使う場合、アマゾンがやっているTwitchだと見ているユーザーが広告をクリックするとお金が入ったりするので、そっちのほうがマシなのかなと思います。YouTubeとかで動画を編集してやるよりかは、Twitchでやったほうが多少お金になるんじゃないかなということです。

ただ生放送は無料で見てファンが増える可能性もあるので、プロモーションだけを見るとツールとしてはすごく便利だと思います。

濱田:現実的に、ネット上のアイドル関連動画のクオリティはどんどん下がっているように感じています。ネット動画黎明期、最初の頃はどこのアイドルの動画も結構作りこんでいましたけど、家で配信している動画も多くなっていて、全体的にどんどん粗っぽくなっているように僕は感じています。



~国内&海外、WEB&リアル…すべてで活動を。ひろゆきが提言するアイドルの未来~

濱田:ひろゆきさんが、「アイドルシーンってこうすればいいのに」と思われることがあれば教えてください。

ひろゆき:日本のアイドルって、理想とされているモデルがたくさんあって、さっき言ったように歌手だったりダンサーだったりっていう能力のモデルや擬似恋愛モデルであったりと様々と思うんです。でも、日本の人たちって割と日本しか見ていないので、それはそれでどうなのかなっていう気もするんです。本来、「どこを目指しているか」「長期的にどこで売上をあげるか」が検討されるべきだと思うんですけど。

僕がアイドルのプロジェクトを手伝っていたときは、海外に行くようにしていたんです。例えば海外の芸能人ってザ・ベンチャーズみたいな外タレとして日本でのみ人気な人たちもいるんです。そのモデルをふまえて、日本から海外にアイドルを持っていけたりするんですよ。日本では無名なんですけど、その国に行くとファンがいるっていう。そういう状況で戦ったほうが、椅子取りゲームで戦うよりかは良いんじゃないかなという気がするんです。
アイドルは日本においては参入してくる人も多いし、同じことを続けるだけではどんどん利益は下がっていくと思うので、5年、10年続けるのであれば他に逃げたほうがいいんじゃないかなと。

僕はアメリカで4chanという2ちゃんねるの倍ぐらいユーザーがいるサイトをやっているんですけど、日本の文化を好きな人がわりと多いです。BABYMETALは日本語で歌っていますけど、海外でそのまま売れているじゃないですか。別に言葉の壁ってかわいい子が歌えば超えられるわけで、日本人もアリアナ・グランデの曲を歌詞なんかわからずに聴いていますし。そういう意味で、海外に打ち出すことはネットを使っていくことで簡単になると考えていて。日本でブランドを作ったうえで連れて行くとか、アメリカでユーザーを抱えている子を宣伝で使ったりとか。僕は最近フランスに住んでいるんですけど、ヨーロッパ文化圏っていうのがあるので、そういったところを使えるようになればなっていう気もします。

あと、何かしらの能力がある人、歌えたり踊れたりっていう人たちを載せるコンセプトの紙媒体、フリーペーパーなどもあって良いと思います。例えば「アイドルが3,000組います、つまりアイドルシーンが流行っています」、「でも誰を見たらいいのかわからない」という状況になっている。
ネット上の投票って濃いファンが集まっているところが人気を獲得していて、フラットな目で普通の人が「どのアイドルが面白いの?」って時に、客観的に面白いっていうのが無いのが良くない構造だと僕は思います。例えば、昔、ニコニコ動画では多くの生主が放送していて誰が面白いかっていうのが見えない状況があって、イベントを行って「この人が面白い」というのを見せたりしていたんです。それなりに能力がある人を示すにはそういうメディアを作らなくちゃいけなくて。

濱田:アイドルシーンを盛り上げなきゃいけない、アイドル運営や事務所は今後どういう風にすればいいのでしょうか。

ひろゆき:嘘が上手いほうが良いと思います(笑)。ファンに夢を見せるっていうのもある種の嘘じゃないですか。アイドルの子達にも夢を見せなくちゃいけないわけで。それって上手い嘘をついて見せていかなくちゃいけないと思うんです。「この業界でこうしていけばこうなる」、「もっと上にいけるよ」とか、上手く言ってやってもらうしかないわけじゃないですか。いかに爽やかに嘘がつけるのかっていうのが大切だと僕は思います。

濱田:(笑)。なるほど。
最後になりますが、ひろゆきさんから見て、アイドルシーン、アイドル自身の人気は今後も継続していくと思われますか?

ひろゆき:“異性を応援したくなる”という構造は永遠に変わることはないと思うので、それがアイドルなのか歌手なのかっていう違いだけで、業界としては安泰だと思います。

ただ、マーケットの参加者が増えて競争が激しくなるかもしれませんが、そういう業界がなくなることは歴史上ないので、まぁ大丈夫じゃないですかね(笑)。




<アイドルLOUNGE>
https://lounge.dmm.com/detail/186/

<過去のアイドルLOUNGEのレポートなどはこちら>
http://lopi-lopi.jp/media/335/

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