2016/05/03 に公開
4月に大阪と名古屋を舞台にSTARMARIEが描き続けてきた「春の東名阪ツアー『FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜』」、そのファイナル公演が4月27日(水)に赤坂BLITZを舞台に行われた。2月に行われた「FANTASY CIRCUS 〜第一幕 幻木町の怪人〜」に続く、どんな物語が描かれたのか、ここにお伝えしよう。
※前回のワンマンはこちら
「FANTASY CIRCUS 〜第一幕 幻木町の怪人〜」レポート
「星祭りの夜」、一年にたった一度だけ訪れる素敵な夢の物語。。。
その幕開けは、幻惑的な、奈落の世界へ堕とし込む『幻木町の怪人』から幕を開けた。これは、第一夜の続き?あのときの悪夢の再開??または再会???今宵は素敵な夢のような一夜では?
謎が謎を重ね、滾る熱い気持ちが場内へ熱狂を導きながら、今宵のSTARMARIEの物語は、躍動的な幻想暗黒物語から…ほらっ、手招きしだしたんだ。
一転、会場内に満ち始めた優しくハートフルな歌と巡る旋律の数々。『ぐらんぱぐらんぱ』が、銀河の彼方へと僕らを連れ出した。
ここから、今夜の旅が始まるのだろうか?マリスト(STARMARIEファンの呼称)たちは、早くもワクワクとした興奮を胸に覚えながら踊りだしていた。
そして、今宵の主人公のスバル(僕)も、キラキラとした輝きの中へ、思いきり笑顔で飛び込もうとしていた。夜空を埋めつくした優しい光の輝き。夜と星の精になったSTARMARIEの5人は、その輝きへ向かって歩みだした旅人スバルへ素敵な奇跡の物語を見せ始めた。。。
今宵の5人に、そんな願いを託しながら、次の物語の扉を、僕はゆっくりと開いたんだ…。
5人が僕の前へ連れてきたのは、妖しい、何処か懐に臭い匂いを嗅ぐわせたハマムラのおじさん。『グッモーニンッ!!ハマムラSHOW』の始まりと同時に心のブラウン管へと映し出されたのは、いろんな…悲しいけど幸せな運命をまっとうした人たちの、涙を引き連れずには語れない恋の物語。
ハマムラおじさんの…いや、STARMARIEの5人による怪しいニュースの始まりの挨拶へ興奮覚え、場内で大騒ぎし続けるマリストたち。報道されるニュースの数々、騒がずには聴けない気持ちも納得だ、はい、次!!
熱狂という車に乗って向かった先は、最愛の人との最後の晩餐を味わう夫婦が舌鼓を打っていたポールの三ツ星レストラン。
STARMARIEは、『三ツ星レストラン・ポールからの招待状』をメニューに、興奮というスパイスをたっぷり振りかけながら、悲しいけど愛おしい恋物語をメインデッシュに勧めてきた。今宵の料理、舌も身体も踊らずにいれない美味しさだ!!
そのレストランに飾ってあった肖像画は、今は亡きレオナの姿?店内に流れる、心をうきうき弾ませてゆく歌が…『綺麗なレオナの肖像画』の中で微笑むレオナが、あなたを独り占めしたかった男性の、病魔的な想いを語りだした。「愛するがあまりに人としての道を違えた男」と、「その男に対するレオナの愛おしき恋の想い」を。。。
ポールが経営するこのレストラン。「恋」料理のメニューの数々が、とてもとても味わい深い。あまりにも濃い(恋)レシピを駆使した料理は、胸焼けするくらいに胃袋の中へ想いを満たしてゆく。
この濃い(恋)料理、脂肪(志望)をどんどん溜めてくれるよね。でも、美味しいから、どんどん胃袋の中へ刺激的な料理(物語)を詰め込んじゃうんだよね。場内の人たちは、騒ぎながらダイエットに励んでもいたけどね。。。
一年に一度の「星祭りの夜」。300年前の過去から迷い込んだステラ王女。彼女を狙う一人の殺し屋スバル。
ステラ!奴の魔の手から逃れるためにも、今すぐ旅立つ列車に飛び乗らなきゃ!!
『プリンセスとコメディアン』が語りだしたのは、笑うことを忘れた王女様の物語。彼女に笑顔を与えることがコメディアンの仕事。
ステラ王女の行方を気にするマリストたちへ、笑顔の熱狂と喜びを与えてゆくのがSTARMARIEの使命。キラキラとした楽曲に魅せられたマリストたちは、STARMARIEの歌をナビゲーターに据え、一緒にキラキラ汗飛び散らしながら、旅の列車へ飛び込んだ。。。
時空を越えて恋に堕ちようか…。タイムマシーンに乗った先に待っている僕のプリンセスは、ステラ女王様?それとも舞台上で弾け飛んでいるSTARMARIEの5人??
『タイムマシーン・ラブ』が僕にウキウキを与えてくれる。弾ける歌にさえ飛び乗れば、未来に"素敵な妄想の現実"が待っていることを伝えるように。。。
『タイムマシーン・ラブ』が描き出した眩く恋しい魔法は、胸に込み上げる熱狂を僕に注いでくれた。魔法に冒された愛しき想いを、僕に毒々(ドクドク)と注いでくれた。よしっ、未来へ行こう!!そこへ広がるのは、遊園地?それとも??
大きな城の扉を開けた先に広がっていたのは、絢爛華美な舞踏会の場。夜空の星が綺麗に輝く今宵に相応しい、狂おしいまでに感情を熱く掻き乱す舞踏会の宴が目の前で繰り広げられていた。
手招きするのは、小悪魔な笑みを浮かべる5人。『狂おしき月下の舞踏会』の主役は、心に毒気毒気(ドキドキ)を秘めた女王様?それともSTARMARIEの5人??それとも…。
それにしてもこのお城、怪しいながらも、なんとも妖しく芳しい匂いが漂う場じゃないか。先に広がる扉を開けたくなる衝動を抑えきれない。躍動する四つ打ちのダンスビートが、理性を飛ばし酩酊してゆく恋の魔法を、僕にかけてゆく。。。
フラフラと、城中を漂うように彷徨う5人。怪しい魔力を持った音色と歌声に乗せSTARMARIEが語りだしたのは、このお城で起きた殺人事件。
本田教授が死に際に残したメッセージとは、一体何のこと…?記憶と記録が、頭の中で交錯していく。『本田教授のダイイングメッセージ』を歌う5人が、興奮というハンマーで頭をガンガン叩いてゆく。記憶が乱れる…。何かが壊れる…。でも身体は果てるまで踊り続けないと、この衝動を止めることなんて、もう出来やしないんだ!!
魔力は何処へいった??僕が物語の中で酔いしれていたのは、僕に夢と現実の狭間を魅せてくれた、その魔力のせいだよね。
5つのスポットライトの下に。いや、夜空から射した5つの光のオーラに包まれながら、STARMARIEは『魔力が消える』を歌いかけてきた。
僕の魔法は、まだまだ効いている!?この想いをずっと抱き続けている限り、愛しい人との交信を途絶えない限りは、まだまだこの魔法は効力を持って僕に力を与えてくれる!?……よね。
ステラ王女を想うこの気持ちが。。。STARMARIEと想い分かち合う楽しさを味わい続けてゆく気持ちがあるのなら、きっと魔力は消えないはず。僕には妬みも、ひがみも、心の歪みも何もないから。ただただ、純粋に愛おしいだけなんだから。。。
そんな僕の身勝手な恋物語を妖しく彩るよう、ガイコツたちのオーケストラが音楽を奏でだした。『ガイコツたちのメンデルスゾーン』、なんて心に切ない涙を落してくれるの??
満月の夜なのに、素敵な妄想広がる今宵なのに、この願いは君(ステラ)に届かないの?このお城の中から聞こえるのは、僕を求める愛しい君の泣き声だよね。ガイコツたちのオーストラに合わせ嘆くけど、僕の胸には届いてるから、その想いはしっかりと。でも……。
君が愛おしすぎるあまり、僕は君を殺め。。。一生、僕の記憶にするためにもさ。。。今宵の交響曲は、なんて嬉しい悲劇(喜劇)な衝動を僕の心に描いてくれるんだろう。
誰が王女を殺したのかと場内に響き渡る悲鳴。それは、絶叫した熱狂の声??何かを悲しむ心の鳴き声!?『サーカスを殺したのは誰だ』、僕らの愛しい感情を引き裂いたのは誰だ?ステラ??それとも、僕??その答えは…何処行った?
あの日のことを忘れたくはない。あのときの気持ちを忘れるなんて出来やしない。そんな僕の愚かな心模様を記憶に刻むように。あの日の感情を伝え続けるよう、切ないバラード『あの日から産まれた日から』が心に涙の記録を切々と刻み続けていた。。。
キラキラと輝き放つ熱狂の四つ打ちビートがふたたび場内を包みだした。愛しき日々をいろいろ思い出すように。とても切ない想いだからこそ、少しでも楽しい思い出を重ねるように『さよならお弁当』が流れだした。
「ありがとう」、その言葉を伝える術を僕は忘れてしまっていたよ。だけど、君が居なくなった事実を忘れたくない今だからこそ、僕は何度だって言いたいんだ「ありがとう」と。
「愛してる」の変わりの言葉へどの程度なるのかはわからない。だけど、何度だって僕は君に言うよ、「ありがとう」と。君に出会えたことは、僕の人生の中の忘れられない最上級の輝きだったと。
この空間にいると、いろんな現実と空想と、さまざまな現実と妄想と、たくさんの現実と歴史の歩みが、多彩な形を持って折り重なってゆく。
『ステラとスバル 宇宙のラブストーリー』が、ステラ王女とのめくるめる愛憎劇の身勝手な結末を。罪を背負った僕の心に、慰めのメロディーを注いでゆく。僕の綴った君との物語は間違ってた?それとも正しい想いの証だったの??私の答えは一体何だったの??
屋上から夜空を見上げながら、心の中に描き続けた物語。。。今宵は「星祭りの夜」。。。こんな物語へ、満天の星空を見上げながら浸っていても、君は許してくれるよね。キラキラとした光を射し込んでくれた『屋上から見える銀河 君も見た景色』が僕に照らしたのは、そんな恋する物語だった。
さぁ、そろそろ飛び立とうか、この屋上から。。。いろんな恋の罪を全身で抱え、美しい銀河を見上げ、屋上からたくさんの痛みと疼きを感じながら飛ぼうか!そうしたら僕も、君と同じような星に成れるかな?
ステラとスバルの恋物語。。。それが恋なんだと列車を待つ三番ホームから聞こえてきた、そんなつぶやき。。。。。。。。
君が好き過ぎるあまりに僕は、君に思いきり、逃れられない恋をしてしまったのさ、今宵は「星祭りの夜」。。。だから、そんな気持ちを星空が僕に語りかけたんだ。
本当は、君と手を繋ぎたい。でも、その願いを永遠に"妄想の実話"にしたいから、僕は君を…。。
それが恋なんだと、その言葉を僕に投げかけたのは、誰?
STARMARIEは『夏祭の夜、君を殺しに行く』を通し、歌いかけてきた。
めくるめく妄想と現実が交錯した物語。その夢に、その現実に浸っている間、とても心が苦しかった。とても心が痛かった。とても心が喜んでいた。バンバンバン心が弾けていた。 『メクルメク勇気!』、めくるめく恋の物語。。。
「なぜ、こんな心苦しいのか」って?だって、それが恋だもの。。。ハートの中の全部を出して広げたら、こんなにも、いろんなめくるめく物語の地図が出来ていたよ。それを理解できたのなら、さぁ、勇気を持って次の物語の扉を開けようか。。。
そろそろ幸せに寄り添おうか、ここは幸せだけに満ちた星。汚れた地球を枕にして、楽しい妄想を繰り広げよう。この魔法が覚めないようにさ。
ほらっ、聞こえてきたよ『名もなき星のマイホーム』が。幾千の悲しみを乗り越え、幾万もの幸せを分かち合おうよ。君と一緒にさ。。。
長い長い、永遠の眠りについたステラとスバルの恋物語。そんな2人に想いを捧げるようSTARMARIEが軽やかに、訪れたマリストたちと幸せの想いを分かち合うよう『恋するボーカロイド』を歌いながら、生まれた笑顔を心に写していた。今日のシャッター、ガンガン切れちゃうねっ!
「今までの人生の中、2年以上同じことを続けたことがなかった私なのに、STARMARIEに入って間もなく2年を迎えようとしています。数字という結果を求められる今、何も貢献出来てない自分だったからこそ、「なんで私は何時もこうなんだろう」と悩むあまり、この日のライブを持ってSTARMARIEを辞めようとまで思っていました。だけど、こんな私でも応援してくれる人たちもいるように、その人たちを悲しませたくはない。何より、STARMARIEを8年間頑張りながら、日本武道館に立つことを夢見ている望ちゃんの夢を達成するまで辞めるなんて答えは出せなかった。日本武道館という夢を達成するまでは、ずっとSTARMARIEのメンバーとして頑張っていくので、これからもよろしくお願いします」(松崎博香)
「今日を迎えるまで、どれだけの数の方が来てくれるのか不安で不安で、毎日心が押し潰されそうでしたけど、たくさんの方が来てくれて本当に嬉しかった。しかも国内中どころか、海外からも来てくれて本当に嬉しいです。これからも5人で日本武道館公演を目指すのは、もちろん。日本武道館公演を成功させた後も、この5人で頑張っていきます」(中根もにゃ)
「メンバーみんな大人たちへ裏切られる経験もしてきたように、STARMARIEのメンバーって本当はとってもネガティブなんです。だけど社長は、そんな5人に「絶対に大丈夫だから」と言ってくれます。この5人って、それぞれに才能があるんですよ。なのに「自信がない」と言い続けてきたけど、その言葉はもう辞めます。これからは、一人一人がもっと自信を胸に、みんなの自慢の存在になれるように頑張ります。みんなが「STARMARIEって凄いんだよ」と自慢の存在になれることがみんなへの恩返しだからこそ、早く有名になって自慢の存在になれますように頑張っていきます」(高森紫乃)
「今日が来るまで毎日が不安だったんですけど、みんなが励ましてくれたり、この日のライブのことをSNSで宣伝してくれたり、STARMARIEは本当に素敵な環境にいれてるなと思っています。だからこそ日本武道館どころか、日本武道館公演を成功させた後も、ずっとこの5人で活動し続けるから。だから、ずっとずっとSTARMARIEを応援し続けて欲しいなと思います」(渡辺楓)
「望が「日本武道館に行きたい」と言った発言から、こうやって赤坂BLITZでライブが出来るまでになれて本当に嬉しいです。表に出るのが苦手で、自信もないネガティブな望なのに。本当にいろんなことがあったけど、8年間もSTARMARIEを続けてるのは、みんなの愛に支えられているからです。この先、日本武道館を目指しながら。その公演を成功させても、けっしてSTARMARIEを辞めることなく頑張り続けます!!」(木下望)
メンバーそれぞれの言葉を受け、激しく華激に流れだした『FANTASTIC!!』。5人はこの歌を通してSTARMARIEとしての生きざまを宣言。それが、STARMARIE流の未来へ向けた宣戦布告。その想いを胸に、このまま日本武道館を目指せばいい!!
最後は、オリコンのウィークリーチャートで22位を獲得。アニメ「鬼斬」のテーマ曲『姫は乱気流☆御一行様』だ。
和テイストを取り込んだパワーナンバーに乗せ、STARMARIEは最後の最後までネガティブな感情をめった斬りしながら、熱狂のバトルをマリストたちと繰り広げていた。天晴れな熱狂を場内に描きながら、今宵の「星祭りの夜の物語」の幕引きを、熱した闇を布団に眠りにつく形を持って閉じて逝った。
これは勝手な妄想の物語。STARMARIEが赤坂BLITZの舞台に描いた舞台歌劇「星祭りの夜」が僕に照らした、星の光が届けてくれた妄想の物語。
現在、この物語の重要な鍵を握っていた『星祭りの夜 君を殺しに行く』を配信中。この楽曲を聞くことが、ー『FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜』を紐解く鍵にもなってゆく。
アンコールで示された「スバルとステラの墓碑」。その後示された、8月21日(日)品川ステラボールを舞台した「FANTASY CIRCUS~第三幕 スペル・オブ・ザ・ブック~」の予告。「本を開いてはいけない・・・史上最も残酷なFANTASY WORLD」。その言葉を意味が、とても気になってきた。
PHOTO:ツカイツバサ
TEXT:長澤智典
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『幻木町の怪人』
『ぐらんぱぐらんぱ』
『グッモーニンッ!!ハマムラSHOW』
『三ツ星レストラン・ポールからの招待状』
『綺麗なレオナの肖像画』
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『プリンセスとコメディアン』
『タイムマシーン・ラブ』
『狂おしき月下の舞踏会』
『本田教授のダイイングメッセージ』
『魔力が消える』
『ガイコツたちのメンデルスゾーン』
『サーカスを殺したのは誰だ』
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『あの日から産まれた日から』
『さよならお弁当』
『ステラとスバル 宇宙のラブストーリー』
『屋上から見える銀河 君も見た景色』
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『夏祭の夜、君を殺しに行く』
『メクルメク勇気!』
『名もなき星のマイホーム』
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『恋するボーカロイド』
MC
『FANTASTIC!!』
『姫は乱気流☆御一行様』
【ライブ写真】
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