2019/07/23 に公開
デビュー10年を迎え、甲斐みのりとの共著「音楽が教えてくれたこと」や、写真集「With you...」の出版、カバーミニアルバム『ラブリー・タイム・トラベル』のリリースと、さまざまな活動を展開してきた中島 愛。30歳の誕生日である6月5日には、自身初のベストアルバム『30 pieces of love』をリリースした。
今回のライブは、10周年イヤーを締めくくる特別な一夜。チケットはもちろんソールドアウト。約1500名の観客が、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールに集まった。
ブルーの衣装に身を包んだ中島がステージに登場し、ライブは、ポップな「Love! For Your Love!」からスタート。ベストアルバム『30 pieces of love』に収録された新曲で、突き抜けた明るさをもった曲だ。中島は軽快な振り付けとともに、満面の笑顔で歌っていく。
続く2曲目は、2018年8月にリリースされたシングル曲「Bitter Sweet Harmony」。3曲目は同年9月にリリースされた『マクロスF』10周年記念シングルに収録されていた、ランカ・リー=中島愛名義の「ランカとBrand New Pearch」と、ライブの序盤3曲は最新曲を歌いつないでいく流れとなった。
「誇りをもって、三十路のまめぐ! 30代になって初めてのワンマンライブです!!」
最初のMCでのそんなひと言に観客は爆笑。ライブのテーマは「10年間のヒストリーを旅する」。最新曲からスタートしたのは必然で、ここからライブ本編の最後の曲に向かって、時間をさかのぼっていくことになる。時系列に準じたセットリストでありながら、各ブロックごとに色合いが変化していくのが特徴だ。
4曲目は、フジファブリックから楽曲提供を受けたロックナンバー「サタデー・ナイト・クエスチョン」、そこから同じくロックテイストの「ワタシノセカイ」へ。高まった熱を、バラードの「ありがとう」で一旦落ち着かせる。
3年にわたる活動休止期間があった中島。「ありがとう」は、「ワタシノセカイ」の一つ前のシングルだが、リリース時期は3年半も離れている。「ありがとう」をリリースしたときは、これが最後のシングルという思いだったと、悩んでいた時期を振り返った。しかし、MCにはしんみりした雰囲気は全くなく、終始、笑顔を絶やさない。「お水おいしい?」という観客からの定番の問いかけに、「美味しくないお水なんてある?」とツッコミ返して、笑いと取るシーンもあった。
ライブ中盤は、3rdアルバム『Thank you』、2ndアルバム『Be With You』の収録曲から、ベストアルバムにも収録されたナンバーを中心にセレクト。注目は、『Thank you』の1曲目に収録されていた「愛の重力」。高度な演奏力が求められる複雑な曲で、フルバンドで演奏するのは、今回が2度目。このブロックを歌い終えてのMCでも、「どうしてもやりたかった曲」と興奮冷めやらぬ感じで、見事な演奏で応えてくれたバンドメンバーを、当初の予定よりも早めて紹介していた。
続く「神様のいたずら」と「夏鳥」はバラードで、どちらもアニメ『たまゆら』シリーズの曲。「どんなに時が経っても、私の中で色褪せない作品」と『たまゆら』を振り返った。
そして、ライブは1stアルバム『I love you』の収録曲を披露するクライマックスのブロックへ。まずは、10代の頃、観客にやってもらっていた振り付けを復活させての「Raspberry Kiss」。「この曲の振り付けは、今回のライブで絶対にみんなにやってもらいたかったこと」だという。ラストをベースソロで締めくくり、「Sunshine Girl」へ。この曲ではドラムソロが飛び出し、中島は手をひらひらさせて、バンドメンバーにエールを送る。
本編の最後を飾ったのは、中島 愛としてのデビュー曲「天使になりたい」。アンコールを挟んで、ライブTシャツに着替えて再びステージに登場した彼女は、「もう一つのデビュー曲を歌いたいと思います」と、曲名をあえて言わないMC。「察しているわりには、歓声が小さいね」といたずらっぽく笑って、客を煽った。もちろん、披露されたのは、ランカ・リー=中島愛のデビュー曲「星間飛行」だ。
観客にとって大きなプレゼントになったのは、10月からスタートするTVアニメ『星合の空』のオープニングテーマ「水槽」フルサイズの初披露。ポルノグラフィティの新藤晴一が作詞を担当したイマジネーション豊かな楽曲で、観客は歌声に聴き入った。「水槽」は、同じく10月スタートのTVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』のエンディングテーマ「髪飾りの天使」とともに、ニューシングルとして11月にリリースされるという。
アンコールのラストは、定番の「金色〜君を好きになってよかった」。黄色いペンライトの光が会場いっぱいに広がる中、「ずっと一緒だよ!」というセリフを観客全員に向けて、投げかけた。
「10年なんとか歩いてこられました。みんなのおかげです。ありがとう!」
「いつでも私の扉は開いてますので、みんなの人生に中島 愛が必要になったら、いつでも扉を開けて来てください!」
30代という人生の新たな幕が開いた中島 愛。これからも、素晴らしい歌声をファンに向けて届けてくれる。そんな確信とともに終わった、10周年記念ライブだった。
写真:
BETO(Sketch)
KOBA(Sketch)
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