2017/09/06 に公開
2017年9月2日、東京・Tokyo Dome City Hall(通称:TDC)にて、愛踊祭2017が開催された。
全国のアイドルが国民的アニメソングをカバーするコンテストであり、“アイドルによる甲子園”とも呼ばれるこの愛踊祭。WEB予選やエリア代表決定戦を勝ち抜いた11組が日本一の座を賭け、ライブバトルを行った。
MC兼審査員に音楽プロデューサーのヒャダイン氏、アンバサダーとしてももいろクローバーZの佐々木彩夏さん、他多くの著名人を審査員に迎え開催。オリジナル曲1曲と全グループ共通の課題曲2曲の計3曲を各グループが披露。結果、3度目の愛踊祭出演となるSPL∞ASH(中国・四国エリア代表)が悲願の初優勝を飾り、そして観客投票1位に贈られるベストオーディエンス賞とダブル受賞を果たした。
2015年から愛踊祭へ出演し、今や愛踊祭の象徴とも言えるSPL∞ASH。アクターズスクール広島から誕生し実力は誰もが知るところだが、今年はアイドルらしいダンスを取り入れた事に注目が集まった。
メンバーも「(今年は)アイドルらしく頑張ってみた」と語り、ヒャダイン氏からも「イメージが変わった」との声も。審査員からも「上手なだけじゃなく、アイドルとして抜くところを抜いており、アイドルの参考になるレベル」と絶賛しており、納得の1位であった事が窺える。
「3度目の正直でやっと優勝したぞ!」と涙ながらに優秀宣言をしたメンバー。終了後のインタビューでも「夢みたい」「心から嬉しいです」と心境を語り、応援に駆け付けたファンについても「泣いて喜んでくれている」と感謝していた。また、ももクロの佐々木さんとのやり取りもあり、担当カラーで分かれているSPL∞ASHについて、「ピンクが欲しいなと思った時は誘って」と笑いを誘っていた。
他にも、審査員特別賞としてテーマパークガールとChuning Candyが受賞。Chuning Candyはパフォーマンスを観ていたポニーキャニオンより「デビューさせたい」とサプライズ発表があり、SPL∞ASHとは別で大反響を呼んだ。
愛踊祭は“アイドルが夢を掴む事を応援するイベント”を掲げており、審査員の“本格的なアドバイス”も特徴。このパートを誰が歌うべきか、テンポが変わる部分の表情の切り替え、位置を間違えた時の誤魔化し方など普段聞く事のない専門的なアドバイスが多く、勝敗は別とし、この愛踊祭を通過点としてアイドルたちに大きく飛躍してほしいという想いが感じ取れる。来年も開催する意向である事をイベント中に発表しており、開催に向け各グループがどんな努力をしてくるのか、当日どんな感動を与えてくれるのか、今から楽しみにしたい。
■ミルキーベリー:北海道エリア代表
念願の決勝進出となったミルキーベリー。
特に雰囲気に関して審査員が絶賛しており、独特の透明感あるオーラ、衣装が可愛いと具体的に挙げている。また、アイドルのオールスターを作るならこんなグループがいい、と評されていた。
卒業したメンバーも応援に駆けつけており、決勝の舞台でパフォーマンスするミルキーベリーに涙していた。
■ピイシーズ:東北エリア代表
「生涯アイドル」を掲げ、その想いを全面に出した楽曲を披露したピイシーズ。
セクシー、ロック、アイドル性をバランスよく兼ね備え、3人という少人数ながら個性を全面に出したパフォーマンスが魅力。
審査員からは「東京の大きいステージでパフォーマンスできるレベル」とパフォーマンス面を絶賛され、「ライブ中、基本的にお客さんのほうを見ている」とライブを楽しんでる様子を評価する声も。
■ケミカル⇄リアクション:北信越エリア
昨年は特別賞であるベストボーカルパフォーマンス賞を受賞。今年もその期待通り決勝へ進出したケミカル⇄リアクション。
一番アイドルらしくなく拳を掲げ盛り上げ、そして力強いヴォーカルが引き寄せられる。ももクロの佐々木さんも「エロかった、大人の女性で格好良かった」と語り、審査員も「昨年と比べ、ヴォーカルの勢いだけでなく歌詞をしっかり発音する部分が上達した」と更なるレベルアップを絶賛。
■CY8ER:関東Aエリア
愛踊祭では異色の“ゆる系”で、ふわふわした雰囲気のCY8ER。自他ともに“キワモノ”と認めている程に出演グループの中では際立っており、パフォーマンスではアイドルらしくステージを飛び跳ねるなど、可愛いステージングを徹底。
個性が強すぎて自由気ままに動いている印象で、審査員も「スキル面では課題があるが、それが逆に個性を際立たせている」「キャラクターとしては正解」とどうしても気になってしまう事を語っていた。
■渡良瀬橋43:関東Bエリア
平均年齢10歳。愛踊祭の選手宣誓はなんと8歳の原島ルカさんが務め、開幕から会場の注目を集めた。
色分けされた可愛い衣装とは対照的なバキバキなパフォーマンスと力強い歌声が魅力で、審査員も「若いのに“老の成分”が入ってる」と最年少とは思えない印象を与えていた。
若いという特権も活かしており、無理やりお客さんを引っ張っていく元気の良さも注目を集めた。
原島ルカさん(8歳)による選手宣誓
■テーマパークガール:関東Bエリア
お姫様らしい可愛さと真っ白の正統派衣装、そして綺麗に揃った歌声、と“統一された世界観”が魅力。コンセプトを貫き通すクオリティの高さは抜群で、愛踊祭で見つかったグループという声も。審査員からは「フォーメーションの移動すら、ダンスとして魅せている」「お人形感も抜群で、癒し効果がある」と世界観や雰囲気を評価。審査員特別賞を受賞。
■BANZAI JAPAN:関東Cエリア
愛踊祭では異色の、わちゃわちゃしており、お祭り感のある賑やかなユニット。47都道府県天下統一を掲げ、全国イベントである愛踊祭の決勝へ出陣した。
横断幕や組体操、アクロバットなどトリッキーなパフォーマンスで会場を魅了。審査員からは派手なパフォーマンスとは対照的に、丁寧に練習している事や練習を重ねている事が伝わってきたと地道な努力を評価され、また、「緊張している部分も見えてアイドルとして応援したくなる」という声も。
■P.IDL NAGOYA:東海エリア代表
東海一元気なアイドルをコンセプトに、東海一から日本一を目指し愛踊祭へ参戦。
全員が統一された赤の衣装で、正統派でアイドル性が高い事が目を引いた。課題曲では“大きい振付”がよく見られ、大会場でのパフォーマンスをめいいっぱい楽しんでおり、ももクロ佐々木さんも「こっちも元気になれる」と笑顔を見せた他、審査員からも「エリア代表決定選のステージは小さかった。大きいステージでこそ活きる」と絶賛された。
■フルーレット:関西エリア代表
昨年も決勝へ進出したフルーレットが今年も決勝へ進出。この夏は全国選抜大会を勝ち抜きTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)へ出演した経緯もあり実力は折り紙付き。
ソロダンスからスタートし、肩車やお馬さんでステージを周るなどトリッキーでエンターテインメント性が溢れ、ちょこまか系アイドルのコンセプトにふさわしい楽しいパフォーマンス。
TIFではエンターテインメントではなく青春を感じるようなステージングだったようで、場に応じたパフォーマンスで魅せられる事も評価されていた。
(撮影:矢口明)
▽昨年の愛踊祭のレポートはこちら
青森アイドル・りんご娘が栄冠!全国各地のアイドル10組が集結した、愛踊祭2016レポート
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