2017/08/25 に公開
※写真は@JAM in 上海 2017での中国アイドル、ATFとIdol School
2017年7月15日、中国・上海にて開催された@JAM in 上海 2017。
日中アイドルとファンが会場を大熱狂に包んだ1年に1度の祭典は、来年の開催を待ち焦がれる熱気で幕を閉じた。
▽イベントの模様はこちら
@JAM in 上海 2017に見る中国アイドル事情(@JAMレポート)
lopi・lopi(ロピロピ)としてせっかくの上海遠征である為、現地アイドルのイベントにもお邪魔させていただいたので少し触れておく。
@JAM上海の翌日、上海在住の日本人が多く住まうエリアにある商業施設「金虹橋商場」に劇場を持つアイドル「蜜蜂少女隊 Ladybees」の定期公演にお邪魔した。現在、上海には15~20ほどのライブアイドルがいると言われ、各グループが最人気グループ・SNH48に続くネクストアイドルとなるべくしのぎを削っている。
その候補の1つである蜜蜂少女隊は、人気メンバーでWeibo(中国でのTwitterのようなサービス)165万フォロワー(2017年7月時点)を誇り、中国全土で総勢100名以上のメンバーを持つ大規模グループ。立ち寄った定期公演は1時間半にわたり、40名以上のメンバーが曲ごとに入れ替わり立ち替わりパフォーマンスを行った。
もともとは韓国のCJ E&M(Mnetを運営するエンターテインメント企業)と協力して結成したグループであった為、KARAなどK-POPを彷彿とさせるアイドルグループだった蜜蜂少女隊。
しかし、最近では“日本のアイドルモデルこそ王道”とコンセプトを変え、制服アイドル化。メンバーについても、初期メンバーは”綺麗系”が多く、新しく(コンセプト変更後に)入ったメンバーはいわゆる”可愛い系”が多いと感じる。
日本のアイドルでも見られる“アニメタイアップ”にも積極的に取り組み、テーマソングの担当やアニメイベントへの出演に力を注いでいる。また握手会や専用アプリでのメンバー投票イベントもあり、公演の最後はハイタッチによる見送りがあるなど、ファンサービスも日本をモデルにしている節が見られる(なお40人とのハイタッチはなかなか壮観)。こういった点からも、アイドルという分野においては”日本が本流”と認識されている事が窺える。
蜜蜂少女隊 Ladybees結成当時
蜜蜂少女隊 Ladybees現在
“オタ芸”も日本から輸入している為か、筆者以外に日本人がいないにも関わらず「お前が一番!」「おーれーのー!」と叫ぶ熱狂的な現地ファンが見られる。中国人ファンに囲まれた異国の地で聞いた事のある言葉が飛び交っており、ホームなのかアウェーなのか不思議な感覚に陥る。なお”口上”のような長文は見受けられなかったが、アイドルが自己紹介した後にセリフを被せる場面や、リフト・ケチャなどはこの公演や@JAM上海でも見られた。
おそらくアイドル文化が浸透し始めた時期の為か、中国人ファンの盛り上がりにはやや荒っぽい部分があったが、これは市場が拡大するにつれ所謂TO(トップオタ、ファンの中のリーダー格の事)など現場を管理する人間が登場し、秩序が形成されていくのだろう。また、荒っぽいとは言ってもあくまでアイドルライブの範疇であり、モッシュなど体をぶつけあう行為は見られていない。
蜜蜂少女隊は日本語が話せず、夏の日本のアイドルイベント参加に向けてトレーニングをすると意欲を見せている。
今回の@JAM上海に出演したATFとIdol Schoolには日本語を話せるメンバーもおり通訳を担当した他、昨年出演したLunarには日本人メンバーも在籍している。SNH48も最近は新宿駅に広告を出すなど、基本的に中国のアイドルは日本のアイドルシーンとの接点を築こうとしており、間もなく開催される@JAM EXPO 2017にはIdol Schoolとアリエルプロジェクト(香港)も出演が決定している。国内でのアイドルシーンの盛り上がりはもちろんの事、世界に広がっていくアイドル文化の動向も今後抑えておきたい。
@JAM EXPO 2017
日時 :2017年8月26日(土)27日(日)
会場 :横浜アリーナ
公式サイト:http://www.at-jam.jp/series/expo2017
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