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全国ツアーラストはゆるめるモ!史上最大の会場!全曲生演奏のワンマンライブレポート

2015/12/27 に公開

 ゆるめるモ!が、2015年11月から行い続けた全国ツアー「ゆるめるモ! YOU ARE THE WORLD TOUR」のファイナル公演として、12月20日(日)にZepp DiverCity TOKYOで生バンドを従えたワンマンライブを行った。

 5月に赤坂BLITZ公演をSOLD OUT!その勢いを駆り、ゆるめるモ!史上最大の会場となるZepp DiverCity TOKYOをファイナルとして開催された今回のツアーは、2ndフルアルバム『YOU ARE THE WORLD』を手にした内容。同作品に参加していたハシダカズマ氏らもバックメンバーとして多数参加した形でライブは行われた。

 猛々しい生演奏とデジタルなグルーヴが重なると同時に、6人がステージへ登場。冒頭を飾った『モモモモモモ!世世世世世世!』からメンバーらは花道へ走り出せば、うねるグルーヴを背に受けながら舞台上を自由奔放に駆け続けていた。いきなりの熱狂?いやいや、思いきり熱を蓄えながら、彼女らなりの臨戦体制を整え、仕掛けてきたというべきか。
 ラウドでスペイシーかつグルーヴィな音の上で、メンバーたちが心地好く跳ねだした。祭りな気分をガンガン掻き立ててゆく『転がれ!!』に合わせ、客席前方では、全力で飛び跳ねるファンたちの姿も。こうやってハッピーな気分で気持ちを励ましてくれたら、無条件で一緒に笑顔で前へ進みたくなる。嬉しいよね、熱高ぶる想いが羽ばたくパワーになれるって。いつしか会場中の人たちが、はしゃぐメンバーのエールに合わせ、一緒に騒ぎだしていた。
 歪みを上げたヴォイオリンの音色を合図に、オリエンタルなムード携えた『1!2!かんふー!』が飛び出した。歌を次々とまわしながら、身体へ騒ぎたいエナジーをナチュラルに注入。”しふぉん”さんが花道まで飛び出せば、メンバーそれぞれカンフーポーズも披露。バックの演奏とメンバーの躍動した動きがシンクロしたときの高ぶりがたまらない。ゆったり大きな、でも確実に気持ち弾ませるグルーヴィでメロディアスな演奏が、無邪気なにやけ顔を導いてくれた。身体のムズムズが、炸裂したくて叫び声を上げてるよ!
 ラウド&グルーヴな演奏に飛び乗り、メンバーらが『難』を煽るように歌いかけた。花道を使った縦一列に並んだパフォーマンスも含め、怪しい可愛さを振りまきながら、見世物小屋のパーティへとゆるめるモ!の6人は観客たちを招いていった。

 「次の曲はどーんと攻めていくぜー!!」。舞台上で思いきりはっちゃけながら、ゆるめるモ!は『不意打て!!』を突き付けた。駆け上がる演奏に合わせ、彼女たちは、奇天烈な振りとともに全力ではっちゃけだした。メンバーの動きに合わせモンキーダンスに興じるファンたちもいれば、忍々ポーズを決めている人も。場内の熱はガンガンに高まりだした。
 歪んだポップな演奏がフリーキーに流れだした。『眠たいCITY vs 読書日記』を背景に、メンバーらはスケールあふれたシンフォニックロックな音を背負い、フォーメーションを決めつつも、でも感情の赴くがまま自由奔放に舞台上を走り続けていた。6人が一体化したときの歌の持つ迫力と存在感には、素直に圧倒される。いや、ガンガン胸に熱を押し込んでくると言ったほうが正解か。このねじれたポップ感、胸にこびりついてたまらない。
 一体化した歌が気持ちを一気に高ぶらせた。『波がない日』が連れ出した、一緒に声張り上げ騒ぎたい衝動。ぶ熱い音の上で、無邪気に遊び続ける6人。むしろ、その豪圧な音が、彼女たちの動きに思いきりダイナミックさを与えていた。”あの”さんのラップにたぎる思い感じれば、身体弾ませるダンスビートに刺激され、誰もが身体を大きく揺さぶらずにはいれなかった。もちろん、彼女たちの凛々しき歌声にも一緒に高まる気分を実感。

 『虎よ』では、”あの”さんがギターを演奏。必死に?いや、ひょうひょうとギターを掻き鳴らす”あの”さん。躍動するビートナンバーの上、観客たちを挑発するようネガティブな感情をゆるめるモ!は熱く熱くぶつけてゆく。


 ”しふぉん”さんが花道でがなりたて煽れば、他のメンバーらも、たぎった感情を可愛さ混じりにぶつけていた。場内には、サイリウムと一体化した無数の拳が絶叫と一緒に突き上がっていた。ヒートアップし続ける感情とシンクロするように疾走する熱狂ナンバーをぶつけていくゆるめるモ!のメンバーたち。無心でギターを掻き鳴らす”あの”さんの姿も、すげぇ輝いていた。
 『DO FUFU』でも、”あの”さんがギターを担当。掻き鳴らす歪んだギターの音で”あの”さんが観客たちを煽れば、他のメンバーらは気持ち一つに高ぶった歌声を突き付け、場内中の人たちを熱止まない宴の中へガンガンに巻き込んでいた。可愛い衝動がこんなにも気持ちを狂わせるなんて、たまんない楽しさじゃないか!
 ゆったりとした、でも確かな圧を持った心地好い演奏の上で、6人がコケティッシュな面も混ぜながら、優しく温かく『Refresh Your Jewellery Box』を歌いだした。いくら可愛い歌でも、6人が一つになり熱を持って歌いかけたときのパワー感は、ハンパない強烈さ。心をキュッと青春の色に染めてくれる感覚に、気持ちもドキドキだ。

 ここで、ゲストとして非常階段のJOJO広重氏が登場。フリーキーでトライヴァルなサウンドスケープが場内へと広がってゆく。


 『SWEET ESCAPE』を歌いながら6人は、無限に広がるノイジックでエクスペリメンタルな音の絨毯の上、螺子の外れた感覚も抱きながら狂った妖精のよう華麗に。いや、轟音グルーヴの中、水槽を飛び出した可愛い金魚たちのよう一定の規律を保ちながらも自由に歌い泳いでいた。その歌と演奏に触れていると気持ちが自然と高まりだし、意識がぶっ飛んでゆく。なんてナチュラルにトリップさせてくれる、最高にハイプなコラボレート・ステージングだ。
 歌謡ロックテイストの強いダンスロッナンバー『たびのしたく』が飛び出した。攻めな姿勢のもと、突き刺さる音に飛び乗り、狂った絶叫と熱唱のシャワーをゆるめるモ!は浴びせかけてきた。フリーキーなダンスロックに飛び乗り舞台上をくるくる舞い踊る姿は、白鳥と勘違いした醜い!?アヒルのよう。でも、そのひねくれたパワー感が、強い説得力を持って胸にグサグサ突き刺さってきたのも、事実。身体の高ぶりをもう抑えらんない。えっ、解釈は少し間違ってる?
 美しくも重さを秘めたサウンドスケープが広がる中、今にも壊れそうな感情を、薄氷のような薄さを持ったガラスの心をパリンと割ってしまいたくなる衝動を持って、彼女たちは『NNN』を歌いだした。とても怪しい一筋の輝きをこの曲に抱いてしまうからこそ、彼女たちの壊れそうな歌声をしっかりと、でも優しく受け止めたくなる。これまで熱狂していた人たちも、この歌では、彼女たちの姿を暖かな眼差しを持ってジッと見つめていた。彼女たちの歌はめちゃくちゃ歪(いびつ)だ。だからこそビロードのような上質な音世界とのアンバランスさの中で、鈍い魅力的な輝きを放っていくのかも知れない。

 JOJO広重ワールドから、一変。『夢なんて』からは、ちょっぴりセンチな心模様を表出した、キュートにひねくれたポップナンバーをプレゼント。サビでは、一緒にシンガロングしたくなる嬉しい気持ちの高まりを与えてくれるのも嬉しいじゃない。可愛く壊れる姿は、どー考えても罪だ。その毒に染まりたくなる好奇心を、ゆるめるモ!は触れている側に与えてゆく。まさに、衝撃与えた確信犯的な嬉しい罪だ。
 ズーンと響く四つ打ちヘヴィ音が、身体も心もダークに支配し始めた。闇の中を彷徨うよう『もっとも美しいもの』が、震える弱い感情を痛い闇の中で抱きしめてくれた。その黒が深い色だからこそ、悲痛?!に見えてじつはのほほんと闇の中から響く歌声が、救いの手を差し伸べる誘いにも聞こえていた。こんな闇でも、彼女たちと一緒なら飛べるのかも知れないと…。
 美しい光抱いた四つ打ちダンスビートの上で、6人が扇子を振りながら『OO(ラブ)』を歌いだした。絶望を抜け出した先に広がった雅な光!?扇子振りながら華麗に舞い歌う彼女たちの姿に向け声を張り上げたくなるのも、それだけ6人の姿が心に眩しかったからだ。何時しか場内中の人たちが揺れるダンスビートに身を預け、優しく身体を揺らしていた。次第に上がってゆく感情。最後は打ち上げ花火のよう一気に高ぶった感情のまま、誰もが気持ちを炸裂させ、宴の中へ満面の笑顔で嬉しく溺れていた。


 「ここからさらにぶっこんで行くから、体力あるかー!?」(“ようなぴ”さん)。『よいよい』を合図に、終盤へ向って熱狂は一気に加速度を上げだした。ツービートなロックナンバーの上、タオルを振りまわし、螺子の外れた感情と歌声を場内中に響かせ、「可愛い」をぶんまわしながら、6人は観客たちを歌で殴り続けていた。
 完全に気持ちのエンジンがぶっ壊れた6人は、暴走した制御不可能な感情を黄色い絶叫に変え『KAWAIIハードコア銀河』へぶつけてきた。やばいよ、理性なんかどっかにふっ飛んでいたはずなのに、さちにさらに、ゆるめるモ!が脳味噌の中から理性という文字をイレースしちまったようだ。きっとそれは、一緒に頭からっぽに狂っちまえばいいってことの合図!?
 『idアイドル』が連れ出した、誰もを軟体動物に変えてゆくゆるゆるな熱狂。そう、ここは宴の場だ。理性を常識も消化して一気にトイレに流しちまえばいい、アンデンティティさえぶっ殺しながら、思いきりトレスポ気分でハイになっちまえばいい。何故ならそれが、この空間での正解なんだから。
 「かかってこいやー!!」。マッドテクノパンク『Hamidasumo!』が、殺人ビーム並の衝撃を持って身体中をグサグサ突き刺した。誰もが熱したポップコーンのように弾け飛んでゆく。一番爆発していたのは、もちろんメンバーらだったけどね。この曲では、ふたたび”あの”さんがギターを持ってノイジックなフレーズを炸裂&爆発。イカすじゃん、あのちゃん!ボコーダーボイスになった”しふぉん”さんの煽りにも、目が釘付けだったけどね。最後に、”あの”さんが客席へダイブ。その姿勢がゆるめるモ!らしさだ!!
 ゴシックホラー&ポップフリーキーな『スキヤキ』を通した、病んだ熱狂の宴。一体化した彼女たちの歌声に触発され、気持ちの温度計も沸点状態だ。大サビではリフトされた”あの”さんが客席で熱唱。熱狂する観客たちに身を預け、”あの”さんは自らもエクスタシーを覚えていた。その熱狂のクライマックスは、ラストの『Only You』へと繋がっていった。
 最後の『Only You』が導いた、カオスな絶叫と熱狂の祭り。祭りとは、理性を開放するために設えた場。まさにここでは、喧嘩上等な勢いで狂い、興奮極まった人たちの熱した姿が、眩いくらいに輝きを放ち続けていた。「飛べ×5」、ノイズの中、絶叫の反吐にまみれてゆくメンバーたち。メンバーも観客たちも心すっ裸になり、思いきり全裸な感情をぶつけあっていた。そのエクスタシーは、その場で一緒に作りあげたからこそ感じられる最上級の恍惚。熱しきったその行為に病み付きになるのも、そりゃあ納得だ。

 『ゆるトロ(slo-モ!)』にのせ、自転車でふたたび舞台へ登場したメンバーたち。



 アンコールは、はっちゃけキューティなトロピカルアイドルナンバー『べぜ〜る』からスタート。コケテッシュな旋風巻き起こし、場内中に胸キュンな熱風を彼女たちは吹かせていた。そのズキュンとした可愛い風速に、観客たちの身体も大きく揺れっぱなしだ。
 「まだまだまだ熱いのは終わらないですよぉ!」。何時しか舞台上は神輿の高台のように変貌。『manual of 東京 girl 現代史』を観客たちを見下ろす形で煽る様に、今宵の祭りが忘れたくない記憶になることを確信。最後に決めたバキュンのポーズも可愛かったね。
 『なつ おん ぶる ー』では、浮輪を身につけ騒ぎだすメンバーたち。台車の上ではしゃぐ、”けちょん”さん。”ようなぴ”さんに至っては、自転車に乗ってパフォーマンス。やりたい放題!?。いやいや、自分たちが本能のまま無邪気にはしゃぐ姿こそがすべてのルール。ここは無法地帯?いえいえ、ゆるめるモ!が心を緩めて作ってくれた、楽しむための無防備なルールを設えたパーティ空間だ。ルールと言っても、それは自分の気持ちに嘘をつかないってことのみ。”あの”さんが客席でリフトされてたのも、そう。誰もがそのルールの中、思いきり素直に自分の感情を緩めながら楽しんでいた。それこそが、ゆるめるモ!のライブなんだよ!



 ダブルアンコールは『私へ』からスタート。スケールあふれたトライヴァルポップな歌が、火照った身体を優しく癒すよう、弱い心に小さな勇気を注ぐように、ゆったり優しく場内へと広がっていた。ふたたび会場内に生まれた暖かな温もり。
 すべての歓喜な心の記憶を刻印するようにバラード『人間少しは不真面目』が流れ出した。誰もがその小さな脈動に同じく鼓動をシンクロさせ、漂う音と歌の優しいうねりの中で手を繋ぎながら、ゆったりと天へと召されていった…。
 最後の最後に『逃げろ!!』を歌い、場内に飛び交う無数のバルーンと戯れつつも、逃げてもいいんだよならぬ、ここにまた集えばいいんだよと熱狂の約束を交わしながら、3時間弱に及ぶゆるめるモ!のワンマンライブの幕は閉じていった。

 「君」という仲間がいると感じれるからこそ、メンバーも、僕ら私たちも、ゆるめるモ!のライブの場へ集い、一緒に熱狂を導き出すことで気持ちが救われれば、前へと進む勇気を胸に抱いてゆける。そう、「君」は絶対に必要なんだよ。次は、どんな場所で裸の自分になって彼女たちと交われるのか、そのときまで、楽しさを妄想しながら逃げてるよ。


TEXT:長澤智典
Photography by 後藤壮太郎

▼フォト一覧(全体写真)はこちら
http://fandolly.jp/detail/6769/

▼フォト一覧(メンバー別)はこちら
http://fandolly.jp/detail/6770/


【セットリスト】
ゆるめるモ! YOU ARE THE WORLD TOUR FINAL
@Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

1 モモモモモモ!世世世世世世!
2 転がれ!!
3 1!2!かんふー!
4 難
ーMCー
5 不意打て!!
6 眠たいCITY vs 読書日記
7 波がない日
ーMCー
8 虎よ
9 DO FUFU
10 Refresh Your Jewellery Box
ーMCー
11 SWEET ESCAPE
12 たびのしたく
13 NNN
ーMCー
14 夢なんて
15 もっとも美しいもの
16 OO(ラブ)
ーMCー
17 よいよい
18 KAWAIIハードコア銀河
19 idアイドル
20 Hamidasumo!
21 スキヤキ
22 Only You

アンコール
23 ゆるトロ(slo-モ!)
24 べぜ〜る
25 manual of 東京 girl 現代史
26 なつ おん ぶる ー

アンコール2
27 私へ
28 人間少しは不真面目
ーMCー
29 逃げろ!!

▼フォト一覧(全体写真)はこちら
http://fandolly.jp/detail/6769/

▼フォト一覧(メンバー別)はこちら
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