2017/07/12 に公開
結成2周年を翌日に控えた7月10日(月)、場所は恵比寿リキッドルーム。ダイヤモンドルフィーにとって通算5回目となるワンマン公演、その名も「イカサマサーカス」が催された。
場内へ足を踏み入れたとたん、微睡みへ導く摩訶不思議な音楽が耳へ誘いをかけてきた。ここは時空を超え現れたサーカス小屋?!。そういえば、この日のタイトルは、「イカサマサーカス」だった。イカサマ?。その言葉に首をかしげつつ、大勢の客人たちが宴の始まりを心待ちにしていた。
暗くなると同時に、人形のアイロニーを手にしたピエロが舞台中央まで歩み出た。「驚いたな、お前さんたちにはおいらの姿が見えるのか、おい!久しぶりの客人だぞ」。ピエロに呼ばれ、ダイヤモンドルフィーのメンバーらがステージへ姿を表した。
「おいらは、このサーカス"ダイヤモンドルフィー"で長いことピエロをやっているアンドリュー・ポン・タンドレット。略してアンポンタンだ。このサーカスはどういうわけか、選ばれた人の目にしか映らねぇようなんだ。世間じゃ、オイラたちは"イカサマサーカス"なんて呼ばれているらしい。そして彼女たちは、このサーカスのメンバー」。人形のようにたたずむメンバー一人一人を、ピエロは紹介していく。
「4人とも、いろんな色の輝きが見えるだろう?。美形揃いだろう?。そのダイヤモンドのような輝きと、人形のような可愛いらしさからダイヤモンドルフィーと名付けたんだ。トランプゲームのポーカーに例えるなら、ゆのはジョーカー、うららはダイヤモンド、さゆはスペード、なつきはクローバー。さて、お待ちかねのショータイムだ。皮肉にも、世間からはイカサマなんて呼ばれるこのサーカスだがな、その実力は確かなもんだ。選ばれた者だけが見れる最高のショーを味わってくれよ」
ピエロの言葉が、今宵のライブの幕開けを告げる合図だった。命を宿した4人の人形は、想いを強く込めながら『アイロニーディストピア』を歌いだした。躍動する演奏に合わせ血液が身体中を巡り出す。4人は生を謳歌するように、その歌声を凛々しく響かせた。次第に力の漲る歌声。その声に触発され、場内からも熱の籠もった声が飛び交いだした。
秘めた情熱を吐き出すよう『愛の手錠』を歌唱。力強い歌声を通し、4人は想いをぶつけてゆく。沸き上がる熱をぶつけずに身体の昂りを抑えられない。華麗に舞い踊りながら、彼女たちは熱狂する観客たちへ熱を抱いた気持ちをぶつけていた。まだまだライブは序盤戦。でも、場内は着実に熱を帯びていた。飛び跳ね歌う彼女たちの姿に触発され、その場で跳ねる人たちも増えていた。
ピエロが語りだした。「お前たちも人間だ。嘘をついたことくらいあるだろう。人は、どんなときに嘘をつくだろうか。人を裁くとき、自分を大きく見せたいとき、それから、大切な人に別れを告げるとき…」。
その言葉を受け届けたのが、『嘘つきブリリアント』。彼女たちの歌声が、光を放つよう場内へ広がってゆく。騒ぎたい観客たちの熱気に寄り添い、輝く笑顔のもと4人は舞台上から情熱的な歌を届けてきた。
沸き上がる熱をさらに滾らせるよう、彼女たちは『dream on flowers』を歌唱。熱を抱かせる歌声と踊りに刺激され、叫ばずにいれなかった。舞台を覆った白い幕の前で、ピエロは語りだした。「お客さんたち、今宵は激しい曲が多くねぇか。ここでおいらからの提案だ。生バンドでのダイヤモンドルフィーを見たいか?」
白い幕が開くと同時に、そこには楽器を携えたメンバーらの姿があった。ドラムを月丘うららが、ベースを紺野なつきが、ギターを藍川さゆが、ボーカルをしらいしゆのが担当。
バンド版ダイヤモンドルフィーが最初に届けたのが『shining』。4人は観客たちへ気迫みなぎる歌声と演奏をぶつけていた。ゆのの歌声へ、誰もが絶叫と熱いこぶしを返していた。
躍動するうららのドラムビートへ導かれ、演奏は『エンジェリックデビル』へ。激しく力強く躍動的で、何より挑みかかる熱い歌声と演奏に触発され、場内には絶叫と無数の拳が突き上がっていた。可愛らしさを封印、メンバーらは観客たちを熱くけしかけてゆく。演奏面ではまだまだ拙さがあったとはいえ、そのぶん気迫でカバー。観客たちも、エナジー迸る挑発的なステージングに触発され、止まぬ絶叫の声と天高く掲げた拳を終始舞台上へぶつけていた。
ピエロは、手にした風船を次々と膨らませだした。メンバーたちは、ふたたびステージへ。「生バンドは楽しんでくれたかい?!」。ここからライブは後半戦だ!!
彩色派手な音色へ飛び乗り、4人はキュートな動き混じりにポップでチャーミングな『僕色バルーン』を披露。とびきりの笑顔を輝かせ、ダイヤモンドルフィーは観客たちを楽しいパーティ空間へ連れ出した。その可愛い仕種や歌声、胸を弾ませるキラキラな楽曲に刺激を受けた観客たちが、メンバーの動きと重なりあうように飛び跳ねていた。
シンフォニックな音色が合図だった。『bravery heart』が飛び出すと同時に、力強く駆け上がるドラマチックな楽曲の上で4人は勢い良く歌いだした。沸き上がる熱を解き放つように、ダイヤモンドルフィーは笑顔で攻めゆくライブを描いていた。明るくも挑発的なステージングに触発され、身体を震わせ騒がすにいれない。そんな気分だ。
ピエロは、ポーズを決めたたずむ紺野なつきにサングラスをかけた。ライブは、なつきをリードに据えた『サンドウィッチドリーム』へ。クールに、でも挑む姿勢を持ってなつきは観客たちを挑発してゆく。凛々しいその姿に、気持ちはクラッとやられた気分。
楽曲は、一気に熱を持って轟きだした。感情を昂らせる『トロイの木馬』を通し、4人は観客たちを熱く挑発してゆく。沸き立つ魂を震わせ、4人は挑むように『トロイの木馬』をぶつけてきた。挑戦的な彼女たちの姿に触発され、フロアーには絶叫を捧げる観客たちによるカオスな熱が渦巻いていた。その姿に、ロックな魂を感じずにいれなかった。
動きを止めたメンバーたち。その姿の前で、ピエロはこう語りだした。「このサーカスはイカサマだ。イカサマ…言い換えると、fake。彼女たちもfake呼ばわりされているが、お前たちがここで観てきたものは、彼女たちの生きざまそのものだ。どうか最後まで彼女たちの生きざまを見届けてやってくれねぇか。イカサマサーカスのフィナーレを語るのは、この曲だ」
螺子を蒔いたとたんに、4人の人形が身体の制御を抑えきれずに踊り出した。『fake poker ~生き様に賭ける道楽~』の登場だ。演奏が進むごと躍動してゆくデジロックなサウンド。4人は駆ける演奏の上で、観客たちへ昂る想いをぶつけだした。彼女たちは戦いを挑んでいた。その挑発に刺激され、場内の観客たちも絶叫を上げ、全力で想いをぶつけ返していた。
舞台から消え去った人形たち。ピエロはこう語りだした。「このサーカスをもう一度見たいと強く願えば、その願いはかならず叶えられる。それまでおさらばだ」と。
アンコールのステージは、キラキラと弾けたチャーミングでポップで、何よりも気持ちへ熱いエナジーを注ぎ込む『out of cage』からスタート。爽やかな風を抱かせる演奏の上で、無邪気にはしゃぐメンバーたち。一人一人がソロを録るたびに飛び交うメンバーコール。舞台の上で笑顔ではしゃぐことが最高の生き甲斐だと言うように、熱した声の翼をはためかせ、4人は熱狂と共に空へ駆けあがっていった。
熱狂渦巻く場内へ向け、4人は沸き上がる情熱をぶつけるように『拝啓ロミオとジュリエットへ』を熱唱。舞台上と客席が互いに手を伸ばし、強い握手を交わし続けていた。いや、情熱と熱狂という気持ちを持って強く心で抱き合っていた。4人の挑戦的な姿勢に、昂る興奮を抑えきれなかった。
今宵の空間に現れたサーカスは、これで終幕。でも、興奮抑えきれない観客たちの声を受け、4人はみたび舞台に登場。
ここで、ダイヤモンドルフィーから重大発表が。11月27日に東京キネマ倶楽部を舞台にした新たなワンマンライブが決定。次回はこれまでのワンマンライブの集大成となる、「ピエロのアトリエ」と題したコンセプトライブになる。続いて、一人一人がこの日の感想を述べだした。
「ドルフィーにとって初めてのストーリー仕立てということで、私たちがぜんぜんしゃべらないワンマンになりました。じつは今回、私、脚本を少しお手伝いさせていただきました。自分の考えたアイデアが形になってみんなのところへ届けられたことがすごく自分の中で自信にもなったし、とてもいい経験が出来ました」(紺野なつき)
「今回はバンド演奏ということで初めてギターに触れました。楽器を触ったのは約1ヶ月前、ゼロからのスタートで毎日練習してきたからこそ、今日間違えて悔しいんですけど。ダンスや歌以外でみなさんへ私たちの楽曲やパフォーマンスを届けることが出来て、またダイヤモンドルフィーの魅力が増えたんじゃないかなと思います。これからも、みなさんが観ていてワクワクするグループになりたい。これからもずっと目を離さずに見守っていてください」(藍川さゆ)
「ダイヤモンドルフィーは明日で結成2周年を迎えるんですけど、私はドルフィーに入ってから大きく人生が変わりました。私はドルフィーに入る前まで、夢って叶わないものとか観るだけのものだと思っていたんですけど。ドルフィーに入ってから、夢や目標は、どれだけ時間がかかってもあきらめなかったら必ず叶うものってすごく思いました。私は今の自分が今までの自分の中で本当に一番好きです。私はダイヤモンドルフィーへ人生を賭けて、これからも精一杯頑張っていきます」(月丘うらら)
「自分の夢が叶うことを一緒に喜んでくれる人がこんなに沢山いるって本当に幸せなことだと思います。みなさんの普段の生活の中にダイヤモンドルフィーが一緒にいて、ともに人生を進んでいるんだなと思えたら、こんなに幸せなことないと思うんです。こうやって好きなことをしてるところを沢山の方に観ていただいて、その姿を観て、みんなが楽しんでくれて。こんなに素晴らしい経験って20年そこそこの人生で歩めてる人ってなかなかいないと思います。こういう自分を受け入れてくれる人がたくさんいることがすごく嬉しいです。私はまだまだアイドルを続けたいので、みなさん応援よろしくお願いします」(しらいしゆの)
最後の最後に、ダイヤモンドルフィーはふたたび『アイロニーディストピア』を歌唱。歌が始まると同時に場内を埋めつくしたスカイブルーの光。4人は込み上がる想いをすべて吐き出すように、激しいドラマを描く楽曲の上で、気持ちの揺れるまま熱を込め高らかに歌いあげていた。これが今のダイヤモンドルフィーの生き様と宣言するように、4人とも凛々しく力強く逞しく想いをぶつけていった。
ダイヤモンドルフィーは、7月11日 で結成2周年を迎えた。ここまで走り続けてきた情熱のまま、3年目のダイヤモンドルフィーも大きく飛躍してゆくに違いない。その物語、これからも共に描き続けようじゃないか。
TEXT:長澤智典
【セットリスト】
『アイロニーディストピア』
『愛の手錠』
『初恋リマインド』
『嘘つきブリリアント』
『dream on flowers』
映像
『shining』
『エンジェリックデビル』
『僕色バルーン』
『bravery heart』
『サンドウィッチドリーム』
『トロイの木馬』
『fake poker』
-ENCORE-
『out of cage』
『拝啓ロミオとジュリエットへ』
-W ENCORE-
『アイロニーディストピア』
【ダイヤモンドルフィー関連サイト】
◆公式サイト http://diamondollfy.jp
◆公式Twitter https://twitter.com/diamondollfy
◆公式ブログ http://ameblo.jp/diamondollfy
◆ブルーフォレスト公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCrD41EWAwiRYmVG1qoin6UQ
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