このエントリーをはてなブックマークに追加

高瀬裕章(ディアステージ代表取締役)、「アイドルマネジメントの魅力」と「でんぱ組.incとディアステージのこれから」を語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.3レポート【後編】

2017/02/13 に公開

▽前編はこちら
高瀬裕章(ディアステージ代表取締役)、「アイドルマネジメントの魅力」と「でんぱ組.incとディアステージのこれから」を語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.3レポート【前編】


▼でんぱ組.incとディアステージ。それぞれの再構築に際して高瀬氏の意図すること

会場から:でんぱ組.incさんと妄想キャリブレーションさんの宣伝方法、グループのカラーの差別化方法についてお聞かせください。

高瀬:でんぱ組.incに関して言うと、よりアイドルジャンルから離れたところで宣伝できることをやっていました。逆に妄想キャリブレーションはアイドルらしい方向に進むようしたいと考えています。そういう差別化をしていて、レーベルもそれぞれ分けています。その結果、レーベルに付随する媒体も異なってきます。

▽でんぱ組.inc


▽妄想キャリブレーション


濵田:特に、でんぱ組.incさんの活動全体は今後どのようになっていくのでしょうか?

高瀬:でんぱ組.incは、一度、ライブなどに関して構築しなおそうと思っています。アイドルグループに限らずですが、10年・20年続くアーティストさんは、同じことをやるのではなく、ある程度の周期でそれぞれのグループなりの変革をし、継続していくんです。でんぱ組.incもちょうど5年が経ちまして、これまでアリーナツアーやアルバムの発売もして、このまま続けていくことを良いという方もいますが、今まで以上にファンを獲得してファンに楽しんでもらうためには、新しいものを生み出さないと飽きてきてしまうかなという危機感もあって。とはいえ基本的なコンセプトは変わりませんが、メンバーも含めて試行錯誤しながら考えている状態です。

濵田:でんぱ組.incさんといえば、これまでも現在も、各アイドルと各アイドルマネジメントにとって、憧れの姿です。それでも、でんぱ組.incさんですら、ここから更に再構築していくということですが、活動の年月で蓄積した課題があるということなのでしょうか?

高瀬:でんぱ組.incに限らずですが、私がアイドルマネジメントで重視しているのはストーリー性です。「どうしてその人たちがそれを始めたのか」「どういう目的をもってそのプロジェクト進めているのか」などといったことです。でんぱ組.incを担当したときに、はじめに1年、3年、そして5年計画を全部紙に出して、メンバーとスタッフで共有して、描いているビジョンや計画を、その都度、軌道修正しながらですがブレずに進めていきました。

 ディアステージの他のグループでもそれぞれ、大体、5年計画まではいつも立てているんです。けれど5年後になると、正直その先のビジョンがまだ描けていないなっていう場合もあります。でんぱ組.incはメンバーも成長していますし、関わる周辺の環境も変わってきましたし、ここから少しいろんなことを織り込みながら新しいビジョンを描こうとしているところです。



濵田:これから新たな取り組みを進めることが再構築に際しての高瀬さんの意図ということなのですね。

 高瀬さんからは、ディアステージそのものをも変化させ、さらに発展させようとされている意図も感じます。例えば、他事務所に所属していたアイドルをディアステージさんに積極的に受け入れられるという取り組みもされていますが、これはどういうお考えなんでしょうか。

高瀬:新しく入ってきた子は、うちのコンセプトでぜひやってみたいという子を受け入れているんです。プロダクションの大事なところですが、前の事務所との問題がないことを確認した上ですけど。その上で、「一生懸命やりたいんだけど、どこでどうしたらいいのかわからない」、「ディアステージだったらやりたいことができるかもしれない」ということで加入してきてくれています。その気持ちの実現に向けてディアステージがサポートできる体制があったので、受け入れている状況です。

 ゼロからタレントを集めて成長させるのはなかなか難しいことです。育成システムがあるところは別ですが、ディアステージにはまだそこまでの機能がないので、デビュー後のアイドルも受け入れるスタンスです。そして、今後はアイドルマネジメントの方も含めて、目的や意識を共有できる方がいれば仲間に入れて、大型イベントなどに出るときでも大手事務所の方たちに負けないような体制をとりたいなと思っています。ディアステージは自社アイドルのコンサート制作はディアステージでやっていて、さらに他社のアーティストのイベントにも制作協力はしてきているんですが、今後はもうちょっと積極的に関係を深めたいと考えています。場合によっては、例えば、M&Aに近い形で仲間に入ってもらうような働きかけもしていきたいと思っています。

会場から:私も、今後、各事務所間の関係がさらに多様化していくのではないかなと思っています。ですので、例えばディアステージさんの「妄想運動会」に私たちが運営する各地のアイドルもお誘い頂けると幸いです。

高瀬:ひとつのグループの名前が入っていると出演しづらいという声も頂いていたので、今年はタイトルを妄想キャリブレーション主催のような形はやめようと思っています。出演グループが増えてもできる競技を考えているので、ぜひともご参加頂けると嬉しいです。



濵田:今回、高瀬さんのアイドルマネジメントの進め方をお聞きしたことで、各アイドルマネジメントの皆様がアイドルマネジメントについて考えるキッカケになるのではと思いました。でんぱ組.incだったらうまくいくけど、お手本になるはずだけど、自分のところだとうまくいかない、“なぜか”といったところも。

 高瀬さんはいつも2重3重に考えています。考えているだけでなく、突破する強さ、やりきる力の強さを感じました。”垂直統合”の中身もお聞きしましたが、改めてうまくいっている部分が多いなと感じました。そして、そんな簡単に達成できたものではない、というのも認識しました。店舗にしても試行錯誤して、1店舗だけでなく複数店舗を持ち、でもうまくいかなくて試行錯誤された企画もあるという苦労が感じられました。

 高瀬さんはこれからも、考えに考えてアイドルシーンを引っ張っていかれるものと思います。

高瀬:エンターテイメントの中でもアイドル分野で仕事をしていますので、アイドルの子達がアイドルとしても個人としても幸せになってほしいし、ファンの方達もエンターテイメントの良いものを受け取って気持ちが前に向いてくれたら嬉しいです。一緒に働いてくれているディアステージのスタッフと、協力してくれる関係会社のみなさんにも少しでもプラスになってくれたら良いなという想いです。そしてシーンがさらに盛り上がり、少しでも良い影響を与えることができればという想いでいますので、引き続き皆様と一緒に何かできればいいなと思います。自分も勉強していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。




<アイドルLOUNGE>
https://lounge.dmm.com/detail/186/

<アイドルLOUNGEの前回のレポートなどはこちら>
http://lopi-lopi.jp/media/335/

facebook シェア twitter google+ このエントリーをはてなブックマークに追加

ロピロピ TOP > 高瀬裕章(ディアステージ代表取締役)、「アイドルマネジメントの魅力」と「でんぱ組.incとディアステージのこれから」を語る。アイドルLOUNGE オフイベントVol.3レポート【後編】

ページトップへ