2016/12/02 に公開
ミライスカート、林奈緒美卒業前最後のワンマンであり、初ツアーの千秋楽公演FANJを京都で満員のファンを前に実施。会場を埋めつくした金木犀の光を前に誓った想い。「美しい青春に傷一つないわけないね」。彼女たちは知っている、痛みを乗り越えた先に光や笑顔が待っていることを。
2016年10月よりスタート、東名阪京を舞台にしたミライスカート初のワンマンツアー「金木犀香る初恋のMelody」。ファイナル公演として11月27日(日)に用意したのが、地元,京都にある京都FANJでのライブ。
京都メトロを会場に定期公演をスタート。初ワンマンを京都ミューズホールで行いソールドアウトを記録。主催フェスティバル「未来フェス」を京都で開催。ミライスカートの歩みの中、つねに京都で行うライブは彼女たちの活動の大きな機転になり続けてきた。
メンバーの一人である林奈緒美が年内の活動を持ってミライスカートを卒業。今回、ツアーのファイナル公演として行ったライブも、4人のミライスカートのワンマンライブとしては最後になった。会場を埋め尽くした満員のファンたちも、その事実を受け止めながら開演の幕が開くのを待っていた。
暗くなった場内。スクリーンに映し出されたのは、相谷麗菜監督による京都を舞台にした短編物語。画面に記された「初恋の君を今日も待つ」の文字。憂う表情のもと、京都の町中をそれぞれに彷徨う4人。彼女たちの元に届けられた一通の手紙。封を開けた中に綴られていたのは、「金木犀の咲くあの場所で待ってる」の言葉。。。
その合図をきっかけに、ミライスカートのライブの幕開けを告げる『overture』が流れだした。沸き上がる歓声。熱い声援を受け、メンバーたちが舞台上に姿を現した。
『メグリメグル』からミライスカートのライブはスタート。キラキラと輝く楽曲に乗り、軽快にステップを踏みながら、ふわり揺れるスカートの裾を翻し歌い踊るメンバーたち。サビではファンたちが合唱してゆく場面も。場内には、最初がら熱した空気が生まれていた。
"はんなり&ポップ"を掲げ、活動しているミライスカート。その姿勢を象徴する楽曲の一つ『ハンナリ☆スター』が飛び出した。クールなダンスビートの上で、柔らかな仕種や表情を持って舞い歌う4人。秘めた高揚が気持ちに嬉しい熱を与えてゆく。一緒に上がっていきたい。何時しか場内には絶叫にも似た雄叫びが生まれていた。
歌謡テイストな『1秒前のシンデレラ』では熱情的な香りも匂わせながら、でも爽やかな雰囲気も歌い踊る姿には見せていた。歌い踊る姿から一瞬たりとも目を逸らしたくはない。その様を見ながら、何時しか優しく笑みが零れていた。
妖艶なムードも携えたミライスカート流ミステリアスナンバー『コ・イ・ハ・カ・プ・チ・ー・ノ』を通し、4人は満員のファンたちを妖しく挑発してゆく。サビで一気に弾けてゆく様にも、心は甘く蕩けていた。
「よろしくおたの申します」。弾むビートに乗せ、心地好く身体を揺らし歌ったのは『Rocket Love』。しとやかさの中へ秘めた熱を覚えてゆく。優しく軽快にステップを踏みながら歌う4人。つねに未来へ視線を向け続ける彼女たちの心境をリアルに映した楽曲だ。爽やかな表情も、彼女たちに似合う最高のエンブレム。
一転、ディスコビートな『ギ・ミ・ユ・ラ』に乗せ、4人は挑発的にせまってきた。妖しく迫られてはメロメロにならないわけがない。何時しか彼女たちも、色気を抱いた大人な歌が似合うまでに成長していた。大サビでは、観客たちも「ギ・ミ・ユ・ラ」と叫んでいた。その一体化した熱狂に嬉しく溺れていた。
「次はゴミ掃除の時間です」「せっかくなので京都を綺麗にして帰りましょう」。披露したのが、ミライスカート流エコナンバー『ミーゴ!ゴミーゴ!』。エスノビートに乗せ、メンバーと満員の観客たちが「処理どうすんの?!」「俺がするー!!」「誰がすんの?」「俺!俺!!俺!!!俺!!!!」のやり取りを繰り返してゆく。凄まじい熱狂で吸引されては、どんなゴミでも処理されてしまいそう。それくらい熱い掛け合いが終始場内を包み込んでいた。
スタンドマイクを前に歌ったのが、キラキラと弾けた『キラ☆ヒラ♥レボ★エボ』。4人の振りに合わせ満員の観客たちも一緒に振りを重ねてゆく。自分次第で毎日の中へ小さな革命くらいは起こせそう。そんなポジティブなパワーをこの歌が、4人が与えてくれた。
メンバーのキュートな動きに合わせ起きたクラップ、弾む気持ちがどんどん空へ舞い上がってゆく。『鉄則Aライン』がファンたちの感情を熱狂と一緒に解き放っていく。歌に合わせメンバーと一緒に思いきり飛び跳ね騒がなきゃ、それがミライスカートのライブでの鉄則だ!!
場内に渦巻く熱気。その熱をさらに攪拌するように『COSMOsSPLASH』が飛び出した。フロアー中から飛び交う絶叫にも似たコール。ヤバい、気持ちの躍動が止まらない。沸き上がる感情をすべて解き放たないと身体が壊れそうだ。駆ける『COSMOsSPLASH』に飛び乗り、誰もが限界を越える勢いで感情をスパークさせていた。心を嬉しく震わせながら弾け続けていた。
中盤には、アコースティックコーナーを用意。ここでは毎回メンバー2人が、ピアノとアコギの演奏を背景に「恋の歌」を歌う形で進めてきた。最終日を彩ったのが児島真理奈と相谷麗菜。この日は、ファイナル公演に相応しくグランドピアノを用意。
児島真理奈は森高千里さんの『渡良瀬橋』をセレクト。背景のスクリーンには、みずから撮影してきた渡良瀬橋の映像をMV風に編集し、投影。ピアノとアコギの演奏に乗せ想いを馳せるように、児島真理奈はしっとりと歌いかけてきた。間奏では、リコーダーを吹く姿を映像に映し出していた。この歌は、離れた人をずっと故郷で想い続ける内容。年内でグループを卒業する林奈緒美へ向け児島真理奈が贈った応援メッセージにも響いていた。
相谷麗菜は、「初恋」に掛け宇多田ヒカルさんの『First Love』を歌唱。彼女も新たな道へ旅立つ林奈緒美へ向けた想いも重ねながら歌っていた。何時しか涙くんてゆく相谷麗菜。それくらい大切な仲間を失いたくない想いが強かったということだ。
切々としたピアノの音色の上で4人の美しいハーモニーが悲しさを連れ出した。最後は4人で、ツアータイトルにも記した『Melody』を披露。一人一人マイクを繋ぎ、サビでは今にも壊れそうな歌声を重ねながら、4人は切ない恋の物語を描きだしていった。
ライブも後半戦へ。大きなクラップからスタートしたのは、ミライスカートがライブで歌い続けてきた『未来ノート』だ。メンバー一人一人へ飛び交うコール。軽快に弾む演奏に合わせ、メンバーと一緒に身体を揺らす満員の観客たち。誰もが信じている、その言葉が現実になることを。だからこそ、誰もが満面の笑顔を彼女たちへ捧げていた。あの独創的なダンスフォーメーションを見ていると、ミライスカートには4人の姿が似合うと思わずにいれなかった。
「こうやってみんなで一緒に素敵な時間を過ごしてきました。心を込めてこの曲を歌います」。林奈緒美の言葉に続いて流れたのが『Beautiful Days』。キラキラと輝くこの歌は、彼女たちが未来へ歩む姿を照らしていた。まぶしい笑顔の裏には、たくさんの悔しさや悲しさ、挫折寸前の気持ちや負けそうな想いが隠れている。彼女たちは知っている。弱さを乗り越えた先に光や笑顔が待っていることを。これから進む道は異なれど、4人が共に輝いた日々を描いてきたのも事実。美しく眩しい日々を歌えるのも、その裏にいろんな痛みを持った想いが積み重なっているから。これからも彼女たちはスカートの裾を翻しながら涙を隠し、笑顔で走り続けてゆくはず。そんな決意の歌にも、この日は胸に響いていた。
最後は、ミライスカートの始まりを告げた歌の一つ『ナモナイオト』だ。未来から聞こえる音をしっかりキャッチしていけば、かならず未来は近づいてくる。彼女たちは笑顔を浮かべ舞台上で力強く歌っていた。場内から飛び交う絶叫。大サビでは、スクリーンに映し出された歌詞に合わせ、たくさんの歌声が会場を包み込んでいた。何時だってミライスカートはモノクロな感情を綺麗な色に染め上げてくれる。その歌声で、いろんな人たちの心に明日を夢見る勇気や素敵な未来を響かせてゆく。そう強く感じさせたライブだった。
アンコールに登場したメンバーたちは、一人一人こう語りだした。
「なっちゃんがいるこのミライスカートが大好きだし、この4人で作ってきたミライスカートが大好き。このミライスカートを守り続けることで、なっちゃんが居たことは残り続けると思います。だから、これからもステップアップしながら頑張っていこうと思っています」(児島真理奈)。
「みんなと一緒に楽しく「最高やなー」と言える、そんなライブをみなさんの心に残せられていたら自分自身も、メンバーも成長できたことになるんだろうなと思います。今年いっぱいでなっちゃんが卒業することになりました。私の大好きななっちゃんやからこそ幸せになって欲しいと思ってる。うちらめちゃめちゃ頑張るし、ずっと前向いて進んでいくので、みなさんついてきてください。絶対に後悔はさせません」(橋本珠菜)。
「私は年内でミライスカートを卒業することになりました。振り返れば、最初から最後まで私は身勝手な奴だったなと思います。なおのことを一生懸命考えて言葉を言ってくれたりとか、この3人はすごい思いやりのある人たちです。2年半一緒にやってきたようにみんなのことが大好きだし、離れるのは寂しいけど、でも、自分で決めたことなので。これから3人になっても、ミライスカートは絶対後悔させない素敵な活動をしてくれる。私も年内いっぱいは、2年半やっていた成果を毎回一番出せるように頑張っていきます」(林奈緒美)。
「私たちツアーを本当にやりたかったので、最終日に京都でやれて嬉しいです。みなさんとの出会いがあったから、この日のライブがあります。なっちゃんがいたから今のミライスカートも、このメンバーもいます。今があるのも、全部出会いから生まれたもの。私たちは、もっともっとミライスカートを大きくしていきたいなと思っています。今日この瞬間のミライスカートも忘れないでください、おねがい」(相谷麗菜)
相谷麗菜の言葉に続いて流れたのが、ファンたちへの感謝の想いと、一緒に歩んでいくうえでの願いを歌にした『おねがい』。4人は、力強く歌声にぶつけていた。ファンのみんながいるからこそ未来へ進んでいけるし、未来が開けることを4人は2年半の活動を通して学んできた。だからこそ、彼女たちは力強い笑顔で『おねがい』を歌っていた。大サビで場内中に輝いたオレンジ(金木犀)のサイリウムの光を見た瞬間、むちゃくちゃ涙が込み上げてきた。嬉しすぎるくらい感動の涙が一気に込み上げていた。みんなミライスカートの明日を信じてるし、一緒に歩もうとしている。その決意が、たくさんのサイリウム(金木犀)の輝きに姿を変えていた。
今の彼女たちならきっと奇跡だって起こしてくれる。最後に届けた『千年少女~Tin Ton de Schon〜』に触れながら、ミライスカートはまぶしい青春の輝きを放ち続けてながら走ってゆく、未来へ続く光の道を…。
最後に流れた映像には、金木犀を手に4人が公園で笑顔で出会う姿が登場。4人が口にしたその言葉は…「やっと逢えたね」。
エンディングでは、相谷麗菜監督の手による撮影のメイキング映像がクレジットと一緒に流れていた。虫におびえる姿やセリフ後の照れた姿など、そこにはメンバー自身がプロデュースしているからこそのくったくない素顔の4人が映し出されていた。
単なるツアーの千秋楽公演ではない。メンバーとファンたちとが「未来の光を一緒につかもう」と誓いあった、心の絆を固く結び合ったライブがそこには輝いていた。また、同じ空間に集いながら共にこう叫ぼうか、「ミライスカート、ミラー!!!」と…。
Photo:Yusuke HOMMA
Text:長澤智典
■ミライスカート Web
http://www.miraiskirt.com/
■ミライスカート twitter
https://twitter.com/miraiskirt
★児島真理奈 twitter
https://twitter.com/miraiskirt_km
★林奈緒美 twitter
https://twitter.com/miraiskirt_hn
★相谷麗菜 twitter
https://twitter.com/miraiskirt_ar
★橋本珠菜 twitter
https://twitter.com/miraiskirt_hj
★LIVE情報★
タイトル:未来フェス 2016
日程:2016年12月23日(金・祝)
会場:WORLD,KYOTO(http://world-kyoto.com)
時間:OPEN 13:00 / START 14:00
料金:前売 3,500円 / 当日 4,000円(ドリンク代別)
出演:ミライスカート/Dorothy Little Happy/寺嶋由芙/アイドルネッサンス
各プレイガイドにて一般販売中。
・ローソンチケット[Lコード:55447]
・e+
・チケットぴあ[Pコード:313-329]
・SCチケット:http://www.sound-c.co.jp/ticket/
お問い合わせ:サウンドクリエーター(06-6357-9990)
2016年12月10日(土) ラフォーレミュージアム原宿
2016年12月11日(日) ラフォーレミュージアム原宿
2016年12月11日(日) AKIBAカルチャーズ劇場
2016年12月12日(月) AKIBAカルチャーズ劇場定期公演
2016年12月17日(土) 恵比寿CreAto
2016年12月23日(金・祝) WORLD,KYOTO「未来フェス 2016」
2016年12月26日(月) AKIBAカルチャーズ劇場定期公演(4人体制最後のライブです)
―セットリスト―
-overture-
『メグリメグル』
『ハンナリ☆スター』
『1秒前のシンデレラ』
『コ・イ・ハ・カ・プ・チ・ー・ノ』
『Rocket Love』
『ギ・ミ・ユ・ラ』
『ミーゴ!ゴミーゴ!』
『キラ☆ヒラ♥レボ★エボ』
『鉄則Aライン』
『COSMOsSPLASH』
アコースティックコーナー
『渡良瀬橋』/児島真理奈
『First Love』/相谷麗菜
『Melody』(アコースティックver.)
『未来ノート』
『Beautiful Days』
『ナモナイオト』
-ENCORE-
『おねがい』
『千年少女~Tin Ton de Schon〜』
ロピロピ TOP > ミライスカート、林奈緒美卒業前最後のワンマンであり、初ツアーの千秋楽公演を京都FANJで満員のファンを前に実施。